「農民」記事データベース20020708-546-06

「7・21交流会」への期待の声

“農村の豊かさ”伝える情報を

東京・稲城市で米屋経営 加藤邦男さん

関連/お米屋さんとの交流会

 東京都稲城市で米屋を経営している加藤邦男さん(西東京米研の会員)から寄せられている、米小売店と農民連との交流会への期待の声を紹介します。


 今、消費者が求めているお米は「安くて、おいしくて、安全なお米」です。その保証をどこに求めているかといえば、米屋やスーパーではなく農家です。ですから産直のお米の購入率が年々高くなっているのだと思います。

 私たち米屋は、おいしさや安全を保障できる玄米がほしいのです。米屋が言うのも変ですが、「農家は“販売チャンス”をものにしていない」と思います。農民連のみなさんの作り上げるお米は、栽培基準がはっきりしているから「安心して販売のできるお米」と、私たちは認識しています。

 米屋がお得意さんをつかむには、販売したそのお米のファンになってもらうことが一番です。お客様のオーダーメイドをかなえることです。どこの産地のどんな人が、一年を通じてどんな農作業で作ったのか、その情報を絶え間なく伝えることがどんなに大切な商売活動なのかを、私たち米研仲間は理解しています。お米の価格の中には、安心・おいしさとともに、産地情報も含まれると思います。だから「産地情報」がほしいのです。でも、その情報が、農民連からなかなか手に入らない。ぜひ情報をください。

 二十一日の交流会が、「これは消費者に伝えたい」と思うような具体的な情報をもって帰れる「会」になることを期待しています。

 十三年産は、率直に言って、情報提供の弱さ、品質と価格のアンバランスなど、売りづらい産地のものがありました。

 仲間と話し合っているのですが、本格的に取り組んで三年目で、試行錯誤は仕方がありませんが、もっと率直な話し合いを通じて、それぞれの立場を尊重し、お互いに経営が維持発展できるようなお付き合いをすべきで、そのことは可能だと思います。

 消費者は、米とあわせて安全な食品・農産物を求めています。米屋も消費者とのパイプを太くするためにも、いろいろ扱いたいと思っています。

 しかし農民連さんからの具体的提案がありません。また、たまに提案されても、末端の消費者価格に近いものだったり、なぜそれだけの価格になるのかという情報がほとんどないなど、思いはあってもなかなか取り組めないのが現状です。

 私達は販売に関してはプロと自負しておりますので、価格に見合う味と情報があれば、米にしろ、他の商品にしろ責任を持って販売できるし、販売します。私達は、仲間の米屋とともに、日本の農家が思うことを、すべて心に取り込み、日本のお米を中心に農村の豊かさをあるがままに消費者に伝えられる米屋をめざしています。

(新聞「農民」2002.7.8付)
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2002年7月

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