ファミレスのホウレン草残留農薬検出で衝撃各社とも安全確保へ
ファミリーレストランのホウレン草ソテーから残留農薬が検出されたというニュース(本紙5月13日号)に、販売各社に大きな衝撃が走りました。各社とも農民連食品分析センターの検査結果を受けて、第三者機関に改めて検査を依頼。そこでも安全基準を上回る農薬が検出され、中国産冷凍ホウレン草の危険性は動かせないものとなりました。
自主検査でも検出一時間後に全店撤去のすかいらーく○…自主的な依頼検査で、ホウレン草ソテーから安全基準を上回る残留農薬が検出されたのは、すかいらーく社の製品。同社は、「メーカーには安全確保のため検査の強化を打診している。また、万が一のことを考えて大規模な公的機関にも検査を依頼しているが、販売を止めることは考えていない」としていました。すかいらーくの場合、食品分析センターの検査では、埼玉・朝霞城山店のホウレン草ソテーからは痕跡程度の農薬が検出されたものの、東京・板橋仲宿店では検出されていません。それだけに「びっくりしている」(広報)といいます。 依頼先から検査結果が入った五月十四日。同社はインターネットで直ちに全店に緊急通達を出し、遅くとも一時間後には子会社のビルディを含む全国の店でホウレン草ソテーの販売を中止した、といいます。 すかいらーく社では今後どう安全を確保していくか、「再構築することを考えなければ」と話していました。
ジョナサン、CASA、サンクスも○…検出されただけで安全基準違反となる強発ガン性の農薬、エンドリンが検出されたCASA光が丘店。このファミリーレストランを経営する西洋フードシステムズは、「安全が確認されるまで、一時販売を見合わせる」措置をとりました。そのうえで、「メーカーで検査体制をとっているので、実際にはどういうことなのか、確認をとっているところ」だといいます。○…チェリーフレッシュフーズ社がつくった、基準違反のホウレン草を主体としたゴマ和えを売っていたコンビニのサンクスは、検査結果の知らせを受けた四月二十六日の段階で、製品をすべて撤去。同時に、あらためて検査機関に調査を依頼しました。 ○…安全基準の六倍の農薬が出たジョナサンは「いまは販売を中止している。独自に依頼した検査機関でも安全を確認しているところで、その後のことについては検査結果を見たうえでまた検討したい」といいます。 ○…安全基準が設定されているキャベツなどとの比較では違反となる農薬が検出されたロイヤル社は、「低農薬栽培の国産ホウレン草を使っているのに、なぜ農薬が残留していたのか。引き続き販売はしているが、ぜひ解明していきたい」としていました。 五月十七日には購買部の担当者、仲卸会社の専務、大手商社の担当者二人が、石黒昌孝所長に「安全な国産野菜の使用で、どんな取り組みが必要なのか」などの意見を求めるため、食品分析センターを訪ねました。
(新聞「農民」2002.5.27付)
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[2002年5月]
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