地域を基礎に、たたかい大きく展望切り開く力と熱気農民連第十四回大会開催
「みんなの熱意に圧倒された」「熱く、たたかおうとする農民の姿を見て、本当にうれしい」――厳しい農業情勢にもかかわらず、参加者の熱気に包まれた農民運動全国連合会第十四回大会が一月十五日から三日間、静岡県熱海市で開かれました。四十七都道府県から三百四十九人が参加。BSE(狂牛病)などをめぐる農民連の動きにマスコミが注目する中での開催となりました。(2面関連記事) あいさつで、佐々木健三会長は、農業つぶしとたたかった激動の一年をふりかえりながら、「BSE発生の責任はすべて政府にあり厳しく追及して全額補償を求めていく。セーフガード発動などの運動にも取り組み、ものを作る共同の輪をひろげ、国民と連帯したたたかいを繰り広げよう」と呼びかけました(3面)。 続いて笹渡義夫事務局長が、セーフガード本発動をつぶした犯人が小泉首相であることを明らかにしながら、農民だけでなく農水省の職員をも裏切る行為であったと指摘。「BSEやセーフガードのたたかい、生産を守る運動でも、農民連の役割はきわだっている。地域を基礎に農民の要求や怒りを結集し、たたかいと組織づくりを大きく広げよう」と大会への報告を行いました(3〜6面)。 情勢とたたかいについての補足報告を行った真嶋良孝事務局次長は、「日中合意」が日本のセーフガード中止を決めただけで「輸出自主規制」でもなんでもないものだと告発。さらに、政府が進める米「改革」について、米に関する政府の責任を投げ捨て、戦前と同じ米投機、米価の暴騰・暴落につながるものだと批判しながら、今年一年を「米を守る」大闘争の年にしようと訴えました。
要求軸に怒りの行動を討論でBSE(狂牛病)問題について発言した群馬県で酪農を営む畜産農民全国協議会(畜全協)会長の住谷輝彦さんは「BSE発生後、牛の価格暴落は底なしで損害は計り知れない。酪農家も、市場が老廃牛の受け入れを拒否したために収入が減り、牛の入れ替えができない。また、処理工場が引き取らない死牛が放置され腐敗していた例もある」と深刻な現場の実態を報告。大いにものを作り、流通を切り開く取り組みでは「市場に粘り強く出荷を続けてきたことで、買いたたきがなくなってきている」(栃木)、「作ったものがすべて出荷できる喜びを大切にしながら継続してきた『だだちゃ豆』の市場出荷の値段が年々上がり、希望価格を言えるまでになった」(山形)などの発言が相次ぎました。 また、四年前から取り組みを開始し、セーフガード発動を求める決議を全市町村で二度あげた高知県の浜田勉さんは「農民連への期待が高まる一方で、組織があまりにも小さすぎることを痛感している。まず、県連の専従体制を確立したい」と決意を表明。税金の取り組みでは、茨城県の村田深さんが「これまでの二倍がんばれば、五倍十倍になって、返ってくる特別な年」と経験を報告。会場では、分析センターへのカンパの訴えも行われ、二十万円を超えるお金が寄せられました。 最後に討論のまとめをおこなった笹渡事務局長は、「小泉改革とのたたかいなしに私たちの要求は実現できない。この春、BSE損害請求運動やセーフガード、米『改革』など、要求を結集して中央・地方で、政府を包囲し、農民の怒りが目に見える行動を起こそう」と呼びかけました。その後「セーフガードの本発動と、BSEによる損害補償を求める特別決議」を採決し、続いて行われた役員選挙では結成以来、農民連の運動に貢献してきた谷口一夫副会長が勇退し、顧問に就任しました。
(新聞「農民」2002.1.21・28付)
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[2002年1月]
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