今、生きいき輝いている女性部パワーの源泉は…(下)女性部長 高橋マス子 対談 女性部副部長 飯島和子
食生活の見直しを高橋 食が輸入農産物でおかされ、おかしくなっていることをみんなが感じています。だから日本の農業を守れという根本をおさえ、子どもの健康や教育の問題なども食と農から具体的に取り上げていくことが大切です。私たちが子どもを育てた時期の離乳食は、大人の食べ物を少し工夫すればいいというものでした。例えば農家のお母さんは、味噌汁の中にジャガイモを入れ、つぶして食べさせるなどの工夫をしてきましたが、その知恵が若いお母さんたちに伝わっていません。企業が作った離乳食の瓶詰めにかきまわされているという感じですね。 司会 茨城では離乳食の問題を新婦人の会と一緒に取り上げている報告もありました。 飯島 若いお母さんたちは離乳食の問題で悩んでいます。子どもの時からの味覚は大事ですからね。小さい時からマクドナルドやインスタントラーメンの味を覚えたら生活習慣病になってしまうのは当然です。 高橋 農村部でも食生活や教育がおかしくなっていることをものすごく感じます。 農家の食生活から暮らしを直さないといけない時期にきていると思います。 飯島 自校方式の学校給食が「財政危機」などの理由で切り崩されてきています。子どもの健康を守るうえでも学校給食を守る運動は大切ですね。
多くの署名集めて司会 セーフガード(緊急輸入制限)の発動を求める署名に取り組み、みんなから集めたという報告もありました。女性が頑張れば本物だと思いました。高橋 和歌山県連女性部の逢台さんの取り組みですね。農産物価格が安くなった原因が、学習したら輸入のせいだとわかり、一生懸命に取り組んだのです。 飯島 軽トラに署名を積んで、道で会った知り合いとかコーラスグループの人に気軽に呼びかけ百五十人から集めたそうです。 高橋 女性たちが集めた署名が議会で採択するうえで大きな力を発揮しているところも多くあります。 司会 自民党はセーフガードの発動を参院選挙のアドバルーンにしようとしていますが、それを許さず、三品目(長ネギ、生しいたけ、イ草)だけに終わらせず、他の激増している輸入農産物にも広げるためにも、これからの取り組みが重要であることをもっと知らせていくことが必要ですね。
税金への取り組み司会 女性ならではの取り組みを具体的に宣伝していけば、税金への関心も高まり、女性も参加するきっかけになると思います。高橋 奈良の女性が、総会に着て来るスーツも経費として落としたと発言しました。みんな参考にしてやると思います。日焼け止めクリームも経費にしていますが、まさに女性ならではの取り組みですね。 飯島 一月に開いた税金学習会に二人の女性が参加してくれました。「農業所得標準表」がなくなることを知らせて、農民連のやり方を宣伝することが大切です。愛媛では二カ月に一回集まって、レシートとかを整理しながら、「収入は隠さず、経費は一つ残さずに記帳しよう」と取り組んでいる経験が報告されました。みんなが気軽に集まれるし、大事な活動ですね。 高橋 税金の申告は、お母さんが知らなければいけないことなんです。経営の実態を知るうえでも、家族経営を支えていくうえでも、女性が主人公になっていくうえでも、大事な取り組みですね。
楽しい女性部に司会 女性部の結成についても貴重な経験が報告されました。高橋 東京の女性部も今回、初めて生産者が総会に参加し、活動を紹介していました。東京では毎週木曜日に集まっているんです。集まるためには工夫が必要ですが、集まればお母さんたちの話はとまりません。 司会 東京でも和歌山でも気軽に役員になるという話がありましたが…。 高橋 お母さんたちは「長」と名のつくものは難しいというイメージを持っています。「これをやったら何か楽しそうだね」と思うまでの気持ちの整理があり、役員になろうという決断までの過程があると思います。役員という名目でなく、「連絡係」を毎年交代でやるとか、「地域の代表」という形にしたらと思います。毎年交代でやるということになれば誰でも気楽に引き受けられます。 飯島 和歌山で女性部を結成するときに「なぜ県連女性部が必要なのか」などという疑問に女性専従者が六回の準備会のなかで納得するまで話し合いを行っています。その結果、「本音で話し合うことができ、集まりが楽しく、元気になった」と報告していました。専従者の役割が大きいと思いました。 高橋 新聞「農民」を見れば、全国各地で女性の会員さんが取り組んでいる様子が出ています。県連が働きかけてくれればすぐにでも女性部を結成できるところがあると思うのです。県連の働きかけが非常に大事ですね。 司会 すばらしい女性部の活動が進んでいるのですから、新聞「農民」にどんどん投稿してもらい、気軽にお母さんたちが読める紙面をみんなで作り、まわりのお母さんや女性組織に読者を増やしましよう。
(新聞「農民」2001.3.5付)
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[2001年3月]
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