今、生きいき輝いている女性部パワーの源泉は…(上)女性部長 高橋マス子 対談 女性部副部長 飯島和子農民連女性部の第十二回総会が二月三、四日に開かれ、参加者に勇気と元気を与えました。女性部の活動をさらに発展させる取り組みなどについて、総会での発言にもふれながら高橋マス子部長と飯島和子副部長に対談してもらいました。司会は農民連副会長の谷口一夫さんです。 (編集部)
「ものを作る」に大きな自身 実践と学習を積み重ねて女性ならではの豊かな発想司会 今度の総会は一味違う総会だったと思います。女性会員の底力を痛感しましたし、女性部ならではの日常活動、視野を広げた取り組みが進んでいますね。高橋 非常に中身が豊かになったという感じがします。福島の大橋広子さん(写真左上)は、山菜なども採ってきて生協のコーナーで昨年十人で約八百万円も販売したという取り組みを発言していました。 消費者に喜ばれている反応を直接知り、「作っててよかった」と思い、「ああもしてみよう、こうもしてみよう」と意欲をもつようになっています。「ものを作る」という原点からスタートしているからだと思います。 飯島 そんなものが売れるのかと思うものまでありましたね。 高橋 彼女は自家用のオクラを作っていて余ったものを直売に出している。直売所を始めることにしても生協のコーナーに出すにしても、自分のところで作って余分になったものを持っていく。こういうことができるのも女性ならではの強みだと思います。自家用の野菜はどこの家でも作るわけですから、何人かが集まれば品数も量も増えます。 飯島 私の家ではダイコンを自家用しか作っていません。ところがたくさん作った人の規格外のものをもらい、ここ三年ほど切り干しダイコンにして売っています。その人たちに「切り干しダイコンを作ったら」と言っても、そこまで手が出せないのです。 高橋 誰か手のある人が加工して売ることはすごくいいと思います。地域の中で分業ができたらおもしろいことができますね。 飯島 農協の加工場を使って、直売所に加工品を出していくことも大切です。 高橋 岩手の女性会員が生活改善グループの人たちと一緒に直売をしているという報告が生き生きと語られましたが、既存の組織とも一緒にやっていくことは非常に大事だと思います。農協の女性部でも一生懸命に生産に励んでいるところもありますので、仲間を広げる観点で取り組むことも重要ですね。 司会 生き生きしているのは、どうしてですか。 高橋 ここ二年ほど、女性たちが運動の主人公になろうと訴えてきました。農民連の方針を真正面から受け止め、やってみましょうという呼びかけが、各地で実践として生まれてきているからだと思います。 突き詰めてみるとお父さんたちの手伝いとか代理ではなく、自分が農民連の会員であるという自覚が生まれてきたのではないかと思います。農民連運動の主人公になりつつあるという感じを持ちました。それが「たくましい」ということにつながるのだと思います。
地域の運動にも視野を広げ司会 千葉や茨城で伝統食列車受け入れで中心になって準備した女性会員の人たちが一過性でなく、その後も組織をしていますね。飯島 千葉では、並べる料理は何がいいだろうと言いながら作ったんですよ。いろいろな過程があったのですが、並べてみたらすごい品目が並び、みんな驚いたんです。それが自分たちのやっていることの再認識につながりました。 茨城では、伝統食列車に出したレンコン料理集の冊子を出したり、三千人も参加した「産直・うたごえフェスタ」を成功させたり、地域の食健連をつくる運動にも発展させようと意気込んでいるという報告もありましたね。 高橋 農民連が「ものを作る」ことを評価し、大事にしていることと関連があると思います。普段、自分たちが加工し、食べているものが「とてもすばらしいこと」だと評価されることが、女性たちに自信をもたらしている。自分の食べているものが伝統食になる。田圃や畑に行っていることにつながっている。と農民連が評価しているわけです。そのことが自信になっているのではないでしょうか。 飯島 「ものを作る」ことが大事だと、今まで繰り返し訴えてきたことが自信になったと、私も思います。 高橋 運動に参加しているから少しずつ見え、学習や直売に取り組んだり、新婦人との交流のなかで実を結んできていると思います。運動と学習などとの相乗効果が生まれているのではないでしょうか。 司会 自分のやっていることに自信をもてば運動も発展する。そのためにも学習が大切ですね。学習を定期的にやっているところもありましたね。 高橋 山口の女性部の学習の取り組みは、大学のゼミナールにしてもいいような題材をテーマに行っています。現場や地域も見ています。頑張っていけば力をつけますね。コツコツとやっていて偉いですね。 司会 「女性部がなかなか作れない」という組織が西日本の方には多いなかで、こうやって女性たちが力をつけ、動き出し、見えてきたら「私たちの所も作らなければ」となるのではないかと思います。 (以下次号)
(新聞「農民」2001.2.26付)
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[2001年2月]
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