「ふろふきダイコン」から「ホウレンソウのおひたし」まで…台所を占領する輸入冷凍食品冷凍でも添加物コテコテ… ナント!年間3億円も冷凍野菜輸入していた 日本の食文化が変質させられる
軍配は国産生野菜にビタミンC含有量劣る輸入冷凍野菜 分析センター農民連食品分析センターが十二月五日、生鮮ブロッコリーと輸入冷凍ブロッコリーのビタミンC含有量を分析したところ、生鮮ブロッコリーに軍配が上がりました。今回分析した生鮮ブロッコリーおよび冷凍品は、分析直前に都内のスーパー「ダイエー」と「西友」で購入したもの。茨城産ブロッコリーも国産にしてはやや栄養価が低めのようですが(一五〇mg以上含んでいるのが普通)、日本タバコ産業が輸入している「グリーンジャイアント」という冷凍ブロッコリーは、なんとその半分しか含んでいませんでした。(社)日本冷凍食品協会の消費者向けパンフレットによると、「急速冷凍するので栄養価はそのまま保たれる」「普通の野菜は流通している間に急激に減少していくから、ビタミンCの残存量は冷凍食品の方が有利」などと宣伝していますが、やっぱり冷凍野菜のビタミンCはずっと減っていました。
添加物に「抜け道」「冷凍食品は添加物を使わないので安心」というのは迷信です(冷凍でも添加物コテコテ…参照)。日本で売られている多くの冷凍食品は加工された「調理済冷凍食品」です。加工食品の添加物は、表示が免除されるいくつかの「抜け道」があって、表示されない添加物がたくさん存在します。 その一つが「キャリーオーバー」と言って、原材料にすでに含まれている添加物は表示しなくてもよいというもの。冷凍食品には添加物表示はきわめてすくないのが通例ですが、それはこの「抜け道」によるものです。 「冷凍食品なら安全」という消費者のイメージにつけこむ、企業のやり方に消費者のみなさん、ご用心。
全農の子会社「組合貿易」ナント!年間3億円も冷凍野菜輸入していたSBS米の輸入で悪名高い全農の子会社「組合貿易」。輸入しているのは外米だけではないようで、冷凍野菜を年間三億円も輸入していたことが「二〇〇〇年冷凍年鑑」で判明しました。日本の農家が暴落に苦しんでいる時に、暴落の原因である野菜輸入に手を出す――これが「農業協同組合」のすることでしょうか。 「年鑑」によると、組合貿易は「新たに中国産地の開拓を行うとともに、新商材として冷凍フルーツを開発導入した。今後販売ルートの拡大に積極的に取り組んでいく方針」とのこと。
日本の食文化が変質させられる家庭栄養研究会事務局長 大森薫さん消費者にとって冷凍食品は便利ですが、冷凍食品が増えることは、食の外部依存・企業依存が進み、輸入農産物が増えることにつながると思います。これでは日本の農業が衰退してしまい、新鮮で安全な食材が手に入らなくなってしまいます。これが豊かな食生活でしょうか?あとは食べるだけという冷凍食品ばかりの食生活では、素材本来の姿や匂いがわからなくなり、子どもたちに食べ方や作り方を伝承することもできません。日本型食生活の素晴らしさがこれだけ見直されている時代に、その食文化が変質してしまうと思います。 家庭での調理は、味はもちろん、作るときの湯気とか匂いとか、家族の癒しというか、大切な絆でもあると思うんですね。企業の「調理時間の短縮が女性解放になる」という宣伝なんてとんでもない。野菜の皮をむく時間もないような生活の方が問題です。 原料や添加物の表示も全面表示されず不十分です。素材がわかりにくいというのは、もうけ優先の企業にとってはごまかしやすいということですし、消費者は関心と警戒が必要です。 今では家庭の冷蔵庫も冷凍食品に合うように開発され、解凍には電子レンジを使いますよね。電気を使ってこそ成り立つというのはエネルギー問題からも問題があります。家電開発で電力・電機産業を発展させて、農業を衰退させるというのは、おかしいと思います。 冷凍食品がすべてダメとは言いませんが、今のように企業が入り込んで作る冷凍食品のあり方は問題だと思います。どうしても使う場合でも、より確かな素材の物で必要最小限におさえたいですね。
(新聞「農民」2000.12.25付)
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