「農民」記事データベース20001030-468-07

セーフガード発動求める請願

11県議会、300市町村議会で採択

「野菜産地の危機打開を」

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「セーフガード発動求める」請願・陳情採択自治体一覧


 国に対して、農産物の輸入を制限するセーフガードの発動を求める意見書を上げる自治体が全国各地で相次いでいます。農民連の調べでは、十月十七日までに十一の県議会と三百を超える市町村議会が採択(別掲)。この運動の先頭に立ってきた農民連への信頼が大きく広がっています。

産地崩壊に強い危機感

 主要な野菜産地である十一県と、半数の道府県だけでも全市町村のほほ一割が意見書を上げたのは、「このままでは産地が崩壊しかねない」という危機感が強いことを示しています。それにも関わらず、「発動すべきとの認識には至っていない」と言い張る高木勇樹農水事務次官。この血も涙もない発言に、「いったいどこの国の農水省か」と怒りの声が沸き起こっています。

 十月十六日、「速やかに一般セーフガードを発動すること」という県農協中央会の請願にもとづく意見書を全会一致で採択した埼玉県議会。それに先立って開かれた本会議(三日)で、日本共産党の仙田正志議員がこの問題を取り上げて質問すると、「議場の雰囲気が一変した」と傍聴した埼玉農民連の松本慎一事務局長は言います。

 「野菜農家が危機に立たされている今こそ、政府に対してセーフガードの発動を要求すべき」と仙田議員。普段は口汚いヤジが飛ぶ与党席からも「そのとおり」の声がかかりました。

知事も先頭に立つと答える

 土屋義彦知事は「個人的には価格暴落の主要な原因は輸入だと思っている」と述べたうえで、現地調査を行うことを約束。これには、「しっかりやれー」と与党席から声がかかり、知事は「私自ら先頭に立って、強く政府に要望してまいりたい」と答弁しました。

 環境・農林委員会(十日)を前に、自民党の委員長が、国にあげる意見書案について日本共産党の控え室に相談に来るのも異例。「セーフガード発動が一番大事。それを表題にすべき」という共産党のアドバイスに対して、委員長は「その通りだ」と答えたといいます。また、埼玉農民連の松本事務局長が県中と話をすると、「本当にお世話になりました」と担当者。「こんなこと言われたのは初めて。なんとしても国政を動かして、セーフガード発動をかちとりたい」と、松本さんは語っています。

(新聞「農民」2000.10.30付)
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2000年10月

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