映画『郡上一揆』を観て命をかけた農民のたたかいに感銘
映画「郡上(ぐじよう)一揆」(神山征二郎監督)の完成プレミア試写会が九月二十一日、東京・港区六本木のオリベホールで行われ、観に行きました。 郡上一揆は、いまから約二百五十年前、重い年貢に苦しむ農民からさらに取りたてようとした美濃国郡上藩の藩主に命をなげうって四年間もたたかった江戸時代最大の農民一揆です。映画は史実にもとづき、人名も地名も実名で描き、壮大なスケールで郡上一揆を再現しています。 百二十余の村から一揆に立ちあがった三千五百人の農民が初めに画面いっぱい登場し、強烈な印象を受け、まず圧倒されました。農民がなぜ立ちあがったのか。藩の放漫財政のツケを農民から過酷に搾り取ろうと、従来の年貢米の取り方を変える「検見取り」を実施しようとしたからです。農民たちが一致団結し、「検見取り」を阻止しようとたたかいに立ちあがっていきます。 村や農民のために役立つ人間になれと、子どもの時から父親(加藤剛)に教えられて育った新婚間もない定次郎(緒形直人)は、村の代表者として仲間と江戸に行き、幕府へ直訴。要求をかなえましたが、打ち首にされた定次郎たち。 多くの農民を立ちあがらせる指導者、どんな拷問にも屈せず、あくまでも農民の要求に命をかける定次郎らのたたかいには、息つく暇もなく吸い込まれていきました。死を覚悟してたたかった農民たちの正義と勇気は、今日にも通じるものがあり、感銘を受けました。 神山監督は「当時の農民の心意気や知恵を現代と重ね合わせ、今の農業のあり方、農民の存在の重要性を念頭に置いて作りました。農民連とも連帯していきたいので、多くの人に観ていただきたい」と「農民」読者にメッセージを寄せています(8月7日付)。
一般公開は、地元・岐阜で十一月十一日を皮切りに東京、大阪、名古屋(いずれも十二月二十三日から)などで上映されます。 (西村)
(新聞「農民」2000.10.16付)
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[2000年10月]
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