D 輸入農産物とたたかうために、作る人自身が販路拡大に力をつくそう【1】誰か故郷を思わざる(1)都会の人の心の奥深くに「ふるさと」「日本の原風景」が一九八四年、多くの港湾労働者が「韓国米の輸入反対」の海上デモの先頭に立ちました。横浜の何人かの労働者は「故郷の父や兄がどんな気持ちかと思ってじっとしていられなかった」と語りましたが、それは港湾や税関だけでなく、多くの農山村出身の労働者の率直な気持ちでした。
(2)口下手でも、生産者自身の生の声が、都会の人、消費者の心に響くいま、こういう多くの人々に、いろいろな組織に、ふるさと・農山村の危機を訴え、それはそのまま消費者の命と健康にかかわることだと訴えましょう。また、多国籍企業・大企業が農産物を開発輸入するのと同じく、途上国の労働者の低賃金が国内のリストラや首切りを呼んでいるのだということも訴えましょう。 ここにいろいろ傾向の違う労働組合や団体にも共感が広がる根拠があります。農業関連産業にも同じ気持ちで訴えましょう。
(3)農民連の組織として、広く呼びかけよう販路拡大では、町や村に申し入れて、出身者をリストアップし、その人たちにダイレクトメールを送ったり、ホームページを開くことも考えてみませんか。
(4)人まかせにしてはいませんか?産直を始めるときは、販路拡大に交流会にと、一人ひとりが飛び歩いたではありませんか。農民連・産直協に加盟してしまうと、販路を拡大しなくなる傾向がありませんか? 果樹農家の場合は、多くは収穫や出荷で忙しくて、味わってもらいたい食べごろに、生産者自身が販路拡大に飛び回ることができない恨みがあります。何とか工夫したいものです。まして、東北・北海道のような冬の長いところでは米に限らず、小麦・大豆・ナタネなどを含めて、業界に、農民連の方針や考え方を紹介して、懇談・対話や働きかけをすることは、遠近を問わず、暖地よりはずっと条件があるのではないでしょうか。 どんなに口下手でも、何といっても、苦労して作った者自身の訴えが一番消費者の心に響きます。 組織内産直もまだまだ可能性が残っています。
【2】まだ「やれること」「やるべきこと」が…産直や「流通の変化に応じた多様な探究」をする一方、自分が作ったそば粉でそばを打って、それを街のそば屋さんに、通勤する息子や娘(労働者)に運んでもらう――ほんの一つの例ですが、こんなアイディアはどうでしょうか。新聞「農民」には、そんな記事がいっぱい紹介されています。「やること」「やれること」がまだたくさんあります。グチってばかりいないで、農民連に結集して、いろいろな挑戦をしませんか。 それはきっと家族や隣人を大きく励ますでしょう。 そして、これほどまじめに働いても農業後継者ができない政治、財界言いなりの政治を変えるために力を合わせましょう。 農業と農山村の復権を! そのために、財界のためには湯水のように国の財政をつぎ込み、農業や国民の食料のためには出し渋る政治を変えましょう。WTO協定の改定を提案する政府の実現をめざしてがんばりましょう。 ◇この方針は寄り合いなどで読み合わせ、意見や感想をおよせください。
(新聞「農民」2000.4.17付)
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