ふるさとのお正月料理新 潟具だくさんな雑煮と「のっぺ」
◆郷土食を作る会稲作単作地帯であった新潟では、節会、晴れ食として「白い米」「白いモチ」が何よりのご馳走でした。また豪雪地帯にとって農閑期であり、年間を通じての休息日として迎えるお正月には、ご馳走を作るというより越冬用に「保存食」を作るという意味合いが強く感じられます。暮れには各家庭でモチをつき、サケを塩漬けにしたり焼きつけにしたり、「のっぺ」「きんぴらごぼう」「酢豆」(青豆を一晩水につけた後、火にかけ歯ごたえのある程度にゆでたものを三杯酢に漬ける)、「なます」「こぶ巻き」「数の子」などを作ります。 十二月三十一日には、「年夜の膳」として、白米を炊き、タコやブリなどの刺身、ウナギやサケの焼物、お平(ヒラ)という里いも、にんじん、ふ、こんにゃくなどの野菜の煮物など、大饗宴を張る風習があります。 そして元旦には、モチは湯モチにして、雑煮、あずき、きな粉などで食べます。 ところで、この雑煮が、全国でも珍しいほど具だくさんなこと、栄養的にもとてもバランスのよい、先人たちの知恵が偲ばれる料理なので、「のっぺ」と共にご紹介します。
〔雑 煮〕(材料)大根、ごぼう、こんにゃく、れんこん、油揚げ、かまぼこ、塩ザケ、ととまめ(サケの子)、打ち豆(大豆をつぶしたもの)(作り方)・大根は前日のうちに短冊に切りさっとゆでて水にさらしておく。 ・こんにゃくはあく抜き、ごぼう、にんじんとも短冊切り、れんこんは縦四つ割りにし薄切り、塩ザケは一口大に切る。 ・たっぷりの水に煮干し、塩ザケ、野菜を入れて煮る。煮たったら打ち豆を入れてさらに一煮し、しょう油で味つけをする。 ・おろしぎわに、ととまめをちらす。
〔のっぺ〕(材料)里いも、人参、ごぼう、こんにゃく、れんこん、かまぼこ、ぎんなん、塩ザケ、豆腐、干貝柱、干椎茸(作り方)・すべて短冊に切って、しょう油で味付けする。 ・お正月には大鍋にいっぱい作り、三が日温め直して食べる。 ・祝い膳にははらこを使い不祝儀の時には材料をすべて三角の乱切りにする。
(味岡久美子/新聞「農民」2000.1.3/10付)
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