農業の持続可能な政策要求しともに行動起こそう
クリスティソン 農業・漁業・林業はすべて持続可能なものでなければなりません。農業が持続可能でなければ、すべての生命が持続できなくなります。
WTO支配するアグリビジネスところが、国内政策でもWTOについても、アメリカ政府の立場は、農業を一握りのアグリビジネスに支配させるということであり、家族農業とか世界の食糧問題というのは、彼らの関心事ではないわけです。WTOで話し合っているのは、実際には世界の大企業の代表であるということを、もっと一般大衆の前に明らかにしなければならないと思います。 村尻 私の住んでいる宮崎県では、ことしは異常気象で、七八%しか収量がありませんでした。それでも、政府は減反を四〇%も押しつけています。WTO協定がこのまま続けば、家族農業経営は本当にピンチに追い込まれる。ですから、なんとしてもWTO協定から農業をはずせと要求したいと思います。 カインズマン せっかく日米の農民組織が話し合ったんですから、今後、国境を越えて力を合わせ、それぞれの政府に働きかけるという内容の共同宣言を出したらどうでしょうか。これは、非常に大きな影響を与えると思うんです。政府がやっていることだけにまかせておけば何も変わらない、私たち自身が行動することが重要だと思います。
お互いもっと交流深めようクリスティソン いま政府間で行われている話し合いは、企業に支配されていて、私たち農民の同意を得ないで進んでいます。ですから、国境を越えたコミュニケーションを続けていかなければいけないと思います。アメリカの農民が日本に行き、日本の農民がアメリカに来て、お互いの状況をよく知り、マスコミにも考えを知らせることが重要だと思います。ガットの交渉の前にも必要でしたし、WTOができた後でも必要なことなんです。今後、交流を発展させようじゃありませんか。坂口 食健連と農民連は二月にWTOに関する国際シンポジウムを計画しています。パネリストにはイタリア、韓国、日本、そしてアメリカからはマーク・リッチー氏を予定しています。 カインズマン ほう、それはいい。マーク・リッチーさんはいい人ですよ。 真嶋 今日初めて会ったとは思えないほど親密で、旧知の間柄のような話し合いができて、とてもうれしいです。ありがとうございました。 クリスティソン また、お会いしましょう。
率直で、誠実で、思いやりある仲間がいたここには「もう一つのアメリカ」がある。そして、率直で、誠実で、思いやりのある仲間がいる会談の最中に、何度も何度も私たちの胸をうったのは、こういう熱い思いでした。会談が終わってからもカインズマンさんは記念写真に納まりながら「来年も必ず来いよ。そのときはオレの農場を見てくれよ」と何度も何度も握手。
NGOのイベントを主催しているNFFCのみなさんは超多忙。ビル・クリスティソン委員長は時間の合間を縫って会談に臨み、キャサリン・オザー事務局長は出席を断念せざるをえないほど。そんななかで二時間も時間を割いてくれたのは驚きでした。
十二月二日に行われた「食糧・農業デー」で、NFFCの代表は次のようによびかけました。 「農民が組織を作って、たたかえば必ず勝てる。 それにしても、私はアメリカの農民として大きな責任を感じている。なぜなら、アメリカ政府は世界の農業に対して攻撃的な政策をとっているからだ。私たちはこういう政策を変えるためにたたかっている。これはアメリカの農民を救うだけでなく、国際的な意味があると思う。来年、世界の農民が集まってWTO反対の運動をやろう」と。
十一月三十日のデモで、NFFCは「Food for People Not for Export(輸出のためではなく、民衆のための食糧を)」という横断幕を掲げました。アメリカ食糧戦略の犠牲になっている途上国や日本の農民と国民への限りない連帯と、“農産物輸出大国”アメリカで進んでいる家族経営の危機を打開する決意を見る思いでした。 (真嶋)
(新聞「農民」2000.1.3/10付)
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