米価引き下げに強く抗議農民連、食健連米審、農水省へ
十一月十一日に開かれた米価審議会は、平成十二年産米政府買い入れ価格を一俵(六十キロ)当たり前年より四百二十四円(二・七%)引き下げて一万五千百四円にする答申をしました。これは米投げ売りを制度化させ、穀物自給率二八%、史上最高の四〇%の減反を押しつけ、国民の主食に責任を持たない先進国でも異例の事態となっている状況の中で、要りもしないミニマムアクセス米の輸入量は減らさないという、農民の切実な要求を踏みにじるものです。 この日、農民連と全国食健連の代表約百人は、朝九時半から東京・千代田区三番町の農水省分庁舎での決起集会をはじめ、玉沢農水大臣、米審会長あての要請、農水省前での集会を開き、「米投げ売り反対、米価引き上げ、価格保障を守り、日本農業、国民の食糧と健康を守る」要請行動を展開しました。 前日夜十時にバスで参加した新潟県笹神村の関川慎吾さんは「昨年は水害でやられ、今年は夏の暑さの高温障害で被害を受け、米一俵三千円も暴落している。孫から『頑張って来て』と見送られた。生産者米価は絶対に上げてもらいたい」と、引き下げに怒りを込めて語っていました。 また、岡山県連の坪井貞夫さんは「六十町歩の米を作っている農民が、いまの生産者米価ではやっていけない。東京にいったらぜひ訴えてほしいと要望された。農水省は農民の立場に立て」と話していました。 北海道の苫小牧市からきた横山喜美子さん(道市民生協パート労働組合副委員長)は「私の実家(長沼町)では弟が米を二十町歩作っているが、米だけでは生活できず、タクシーの運転手になって月十二〜十三万円を稼いでなんとかしのいでいる。農業だけで生活できるようにしてほしい」と語り、北海道農民連の代表と一緒に行動に参加。 衆議院議員会館で開かれた農民連の意思統一集会では、「自自公の暴政にストップをかけるためにも、新聞『農民』大型号外を持って、すべての農民をはじめ農協、自治体、消費者との対話を進め、農村から怒りの声を結集し、政治を変えていこう。そのためにも、いまこそ本気になって新聞や会員を増やし、あと二カ月となった第十二回農民連大会の成功をめざし全力をあげよう」と決意を固め合いました。
秋田農民連十一月二日、秋田県本荘市で全県農業委員大会が開かれ、千二百人の農業委員や農業委員会事務局職員が集まりました。秋田県農民連は大型の新聞「農民」号外をいっせいに配布。千二百枚の号外はたちまちなくなりました。会場入口では、「頑張れよ」の声があちこちからかかりました。この行動には、地元・本荘地区などから十二人が参加しました。 (秋田県連 戸嶋英樹)
(新聞「農民」1999.11.22付)
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[1999年11月]
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