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夜空に響く農民の訴え

穀潰し、罰当たりの悪政退治を

11・10大集会 国民的諸要求を総結集


 「豊作を願い、丹精込めて作った米が一俵千円でエサにされる。古米を混ぜて新米と称して平気で売る。アメリカのために要りもしない外米を輸入して、私たち農民は史上最高の減反を強いられる。消費者はニセ米を食わされる。

 豊作を忌み嫌い、悪徳商法を野放しにするこうした輩に私は言いたい。この穀潰し。この罰当り。いつまでもあると思うな米とお前らの票。

 農民は心の中に鬼を持っている。つらくて苦しいときはその鬼がすさんだ心を癒してくれる。しかし、今はその鬼を、国民の怒りを呼び覚ます鬼として解き放つとき。腐りきった政治を立て直し、穀潰し、罰当りどもを退治する鬼となって奮闘する」。

根本さんの訴えに大きな拍手

 国民各層の切実な要求を一つにまとめ、数におごり悪政をゴリ押しする自自公連立・小渕内閣にノーをつきつけ、解散・総選挙をかちとる「11・10国民大集会」。会場の東京・明治公園に、福島農民連・根本敬事務局長の凛とした声が響き渡ると、一万八千人を超える参加者は大きな連帯の拍手と声援で応えました。

 長期化する不況と大企業の身勝手なリストラ、下請け・中小企業いじめ、欠陥だらけの介護保険や福祉・年金・社会保障の切り下げ、米価の暴落とエサ用への投げ売り…、全国津々浦々で国民生活を犠牲にする小渕内閣の悪政と大企業の横暴への怒りが満ち満ちています。

やめろリストラ福祉切り捨て

 「会社の経営責任、大企業の社会的責任を追及し、工場閉鎖を許さない」(日産自動車に働く労働者)、「戦後最悪の不況に商売の存亡をかけて立ち向かう」(中小業者)、「就職難を解決するどころか、リストラを奨励する小渕内閣は、私たちの思いを踏みにじっている」(女子学生)。次々と語られる悪政の告発と、それとたたかう決意。元気に拳を突き上げシュプレヒコールした参加者は、集会後、新宿・渋谷の繁華街をデモ行進しました。

国会デモなど終日多彩な行動

 集会に先だつこの日、昼休み国会デモを皮切りに各省庁では、「消費税を三%に戻せ」(大蔵省)、「住民自治を踏みにじる自治体リストラ反対」(自治省)などの交渉や集会や行動が展開されました。

 「介護保険を改善し、年金・医療の改悪やめろ」と開かれた集会に参加した大阪のホームヘルパーの大石康子さんは、「今日は仕事を休んで来た。介護保険はとんでもない、お年寄りを殺す制度。福祉を金で買う、介護がお金次第になってしまう。これでは人間の介護ではない」と怒りを込めて話します。

農水省と交渉 怒りの声切々と

 農民連は、全国一般労組や明乳争議団、国公労組などの労働者、婦人、中小業者とともに、「コメのエサ用投げ売りやめろ。食糧と農業を守れ」と農水省前で集会、交渉。「政府は豊作だと言っているが、カメムシや胴割れで、米農家は県全体で百九十億円の減収」(秋田県連・小林秀彦副委員長)、「米価の暴落は外米輸入のせい。これまで保守だった人たちから大判ビラへの共感が寄せられている」(新潟・今井健さん)と、農民が怒りの発言。

労働者とともに熱く連帯して

 また労働者からは、「食品産業に働く者として、ともにたたかう」(明乳争議団・小関守さん)、「労働者の最低賃金制とともに、農産物に価格保障を」(全国一般労組・永島盛次副委員長)と、連帯の言葉が交わされました。

 全国一般労組員で、アサノ精機(茨城・つくば市)に勤める吉田さん、三村さんも、休暇を取り参加。同社は、穀物や飼料を計るホッパースケールの計器を作っていますが、五年前に比べると受注は二割ほど。「輸入が増え、農業が衰退するにつれ減ってきた。輸入を制限しなければ、農業も仕事もよくならない。俺たちはまだ給料をもらえるが、外注する溶接屋などは、仕事が無ければ収入も無い」と話していました。

(新聞「農民」1999.11.22付)
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1999年11月

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