学校給食/子どもたちは何を食べ、何を食べないか (下)「運動会の作文」が語る親子で食事できない現実東京の小学校(二年担任)女教師のノートからとても太っている憲一郎くん。肥満度が高いので健康学園への入所を薦められています。
肥満の子の遠足の弁当に驚く遠足の日、大きなリュックサックを背負ってフーフー言いながら山登り。頂上でお弁当です。憲一郎くんのリュックから出てきた物を見てギョッ。フワフワのスナック菓子、カールの大袋です。「憲一郎くん。お弁当から食べるんだよ」「先生、ぼくのお弁当、これなんだよ。これ、大好き。いつも食べてるんだ」「おにぎりとか、持って来ないの?」「うん、ママがこれ好きだからって、二つ入れてくれたの」。これは、マンガでも嘘でもありません。憲一郎くんのお母さんと話してみると「子どもが喜ぶものを食べさせて、どうして悪いの?学校の先生がガタガタ言うことじゃないでしょ」と剣もほろろ。さすがに、次の年からは、おにぎりのお弁当にはなりましたが……。 お弁当といえば、子どもたちのお弁当の材料は、ウィンナ、卵、鳥の唐揚げ、肉団子、シュウマイなど、冷凍食品が多く、種類が限られている感じがします。
“パパが途中で帰りつまらない…”もう一つ、先日あった運動会のことです。私の学校では、お昼は校庭で家族や友達と食べます。えりなちゃんの運動会の作文には、こう書いてありました。「パパはおしごとがいそがしいので、おくれてきて、ちょっと見てかえりました。おべんとうはおにいちゃんとお母さんとたべました。わたしのダンスのときはかえってしまい、いませんでした。つまらなかったです」。秋空のもと、おうちの人と食べるお弁当は子どもたちの運動会の楽しみの一つです。そんななか、こんな思いでいる子どもがいるのです。つまらない運動会。お弁当はおいしかったのかなと心配です。
センター方式、民間委託が増えて学校行事のある時くらいお父さんの仕事は休みにして……リストラの嵐が吹き荒れる昨今、そんなことは言っていられないお父さんお母さんが増えてきました。子どもをゆったりと育てられる社会を子どもたちも熱望しています。自殺、夜逃げとまではいかなくても、ギリギリの所まで踏ん張り、身を粉にして働いているお父さん、お母さん。給食が一番まともな食事だという子どもたちが増えています。 そしてその給食がいま、センター方式、業者委託にかわろうとしているのです。
(新聞「農民」1999.11.15付)
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[1999年11月]
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