許せぬ悪徳商法 追及第3弾!お米屋さんも怒る/ニセ新米の横行“あんな安値、できるわけない”スーパーの乱売を批判
古米を混ぜて“新米”と称しニセ表示で消費者に売りつけているスーパーや量販店などの悪徳商法を追及した本紙の報道は、食糧庁も調査に乗り出すなど、大きな反響を呼んでいます。とくにスーパーなどの安売りの影響をもろに受けているお米屋さんからは「最近の米の乱売には怒りを通り越してしまう」「スーパーなどの安売り問題をどんどん取り上げて欲しい」という声が寄せられています。 「“新米新潟コシヒカリ”が十キロ三千三百円というスーパーのチラシが入ってきたが、とてもそんな価格で採算が合うのか疑問だ。十キロ二千九百八十円とか三千三百円など、まったく話にならない。自給率が年々低下するこの国は一体どうなるんでしょう」という浦和市の広岡米店の広岡昭一さん。東京の精米店の店主も「高温障害を受けた新米の新潟コシヒカリが一俵(六十キロ)一万八千円が相場だ。十キロ三千円前後の新潟新米で卸とスーパーのマージンが出るのだろうか」と語ります。東京・中野区のお米屋さんの市川喜一さん(東商連会長)も「仕入れ原価にあわず、そんな値段では売れない」と言います。 お米屋さんの指摘する原価割れの背景は、外米を輸入し減反を押しつける政府の米・農業つぶしと新米に古米を混ぜて消費者をだますニセ表示米の悪徳商法にあります。市川さんは「四割も売り上げが減った。不況や景気の低迷の影響もあって安いものを求める人が多くなっているが、お客さんには産地、銘柄、年産をはっきりと表示し、買ってもらったり、口コミで紹介してもらったりしている」と語っています。 東京の精米店主は「業務用を伸ばしたり、大量に仕入れて少しでも安く提供できるようにしている。いいものを仕入れようと農民連の米鮮度判定キットを購入した」と話しています。 広岡さんは、「十年前は米穀組合に百人ほどいたが、いまは六十二人に減った。私は農民連との提携をすすめ、低農薬・有機栽培の契約をし、生産者や作り方も明示し、安心できる米を消費者に売っている」と語り、農民連の野菜販売も行うなど意欲的です。
築地、北足立市場に出荷買参人も関心、質問も次々茨城県連は十一月一日から、東京の築地と北足立の二つの市場への出荷を「産直ネットワークいばらき」(いばらきネット)として開始しました。県西産直センターから小松菜、キャベツ、白菜、ナス、阿見町有機農産物供給センターからレンコン、椎茸、長ネギ、小松菜を出荷。築地市場では、有機野菜コーナーの一角に「いばらきネット」の野菜が並べられました。また、北足立市場では「安全でおいしい食料は、豊かな日本の大地からふるさとネットコーナー」の黄色い看板を出しての初売り。北足立市場では看板を出し始めると、「安全な野菜か。農薬は使ってないのか」「農民連って何だ」など、買参人から質問が次々に寄せられました。セリ人は「こだわった作り方の野菜だ」「今は茨城だけだが、全国の物が入るよ」などと応対していました。 値段は必ずしも希望通りではありませんでしたが、市場と買参人の期待を感じるとともに、市場との懇談を重ね築いてきた取り組みの重要性を実感しました。 出荷のきっかけは、県西産直センターの取り組みでした。生産者大会などで「生協は市況が安いときには注文が減り、高いときには殺到する。この繰り返しで、頑張りにも限界がある」「安定的に出荷するため、従来よりも二割増作付けしており、市場にセンターのブランドで出していけないか」などと話し合いました。「いばらきネット」役員会では、物を出すことを前提に築地市場と北足立市場との懇談を確認、十月二十一日に両市場と話し合い、今回の出荷となったもの。
(茨城県連 奥貫定男)
大豆畑トラストで収穫の喜び新潟・豊栄市新潟県連豊栄支部は十月三十日、豊栄市の約二十アール余の大豆畑トラストで六人が参加、朝八時から夕方六時まで汗を流し、約五百キロの大豆を収穫しました。農協を通して借りた大豆専用のコンバインや脱粒機を使い、収穫作業をしました。粒は小さかったのですが、良質の大豆でした。 この畑は、「生活と健康を守る会」会員さんから借りた畑で、豊栄支部の曽我浩副支部長が管理し、県内外から約十人が大豆畑トラストに申し込んでいます。
(新潟県連 松井三男)
新潟県央センター農民連にいがた県央センターは十月三十日、大豆畑トラスト収穫祭を新潟県南蒲原郡栄町で開きました。ことし収穫した大豆で作った豆腐を食べながら交流をし、新潟市の消費者をはじめ県央センター組合員など二十人が参加しました。信濃川河川敷に広がる一・二ヘクタールの大豆畑はすでに収穫され、参加者は隣の畑にあるサトイモやゴボウ掘りをしたり、落花生を引き抜いたりの農作業を体験。 交流会はコミュニティセンターで行い、初めての収穫祭。会場には大豆の料理が並びます。自慢は豆腐に味カイ。豆腐屋さんに大豆を持ち込んで国産豆腐を作ってもらい、味カイは県央センターの味カイ加工場の新味カイを使って豆腐の味カイ汁、味カイおにぎり、自家製の漬物。漬物は味カイ加工で出来る麹に塩を入れてキュウリやカブを漬けたもの。市販では「三五八漬けの素」として出回っていますが、本物の麹を使った漬物です。 「味カイおにぎりがおいしい」と五つも食べた人が「土がいいね。だからおいしい野菜やお米が出来るんだね」と感心していました。 交流会では来年の大豆畑トラストへの期待が話題になりました。
(県央センター 捧たみ子)
(新聞「農民」1999.11.15付)
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[1999年11月]
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