大豆トラスト運動2年目“手作りの国産豆腐を”モテモテ「豆腐キット」飛ぶ売れゆき(茨城県南)
大豆畑トラスト二年目の今年、国産大豆をのぞむ消費者の声はますます強まるばかり。「もらった大豆をどうやっておいしく食べよう」と新しい模索が各地で始まっています。茨城県南農民組合では大豆とセットにした「豆腐作りキット」が、販売数七百個を超えて大好評です。農民連のお母さんたちも、各地の豆腐作り講習会に“先生”役でひっぱりだこ、楽しい交流が生まれています。 その一つ、新婦人の茨城県取手支部の「豆腐つくり講習会」におじゃましました。豆腐作りは少量ならば意外と簡単。今回の先生は県南農民組合の杉山恵美子さんと、野菜・稲作農家で自家用大豆も作る武藤千鶴子さん。好評の豆腐キットと大豆を使って、三班に分かれ、さあ挑戦です。
講習会開いて楽しい挑戦(新婦人・取手支部)豆腐作りは、まず一晩大豆を水に浸けることから始まります。一晩たった大豆は水をたっぷり含んでプックプク。これを浸けた水ごとミキサーにかけると呉汁の出来上がりです。次に呉汁を大鍋でいったん沸騰させて、さらに弱火で十分ほど煮たら、搾り袋に入れて搾ります。でもこの搾る作業がすごく熱い。みんなで七転八倒、なんとか搾り出しました。この時の搾り汁が豆乳、袋に残ったカスがおからです。 搾り出した豆乳をもう一度七十度から七十五度に熱して、ニガリ液を混ぜ、しばし待ちます。するとモヤモヤと分離し始めました。この時のワクワクする気持ちは理科の実験のよう。 このモヤモヤを木枠に入れて、重しをして三十分くらい固まるのを待ちます。その待ち遠しいこと!干し椎茸のだしで、できたてのおからを煮るかぐわしい匂いに包まれながら首を長くして待ちました。 そして最後に木枠から外して出来上がり。「できた!」同じように作っても、固まらずにおぼろ豆腐になった班もありましたが、味はピカ一。「失敗してもおいしく、毎回でき上がりが違うのが豆腐作りの楽しさ」と杉山さんは言います。 試食会では、「甘ーい!」「大豆の味がする」と大好評。農家の武藤さんからは、米一俵六百円の問題や遺伝子組み換えなども話され、大豆畑トラストのお誘いには質問が集中、「農業が大変てことは、私たちの食料が大変てことよね」「今日は勉強になったわ」と大いに盛り上がり、大豆から農業がかいま見えるひとときでした。 (満川) *豆腐作りキット 大豆三百グラム(豆腐二丁分)、木枠、搾り袋、敷布、ニガリの四点セット 注文先:茨城県南農民組合 電話:0297-70-3503 Fax:82-6640 豆腐キットの木箱を作っている桶職人、黒岩辰男さん(70)の話 豆腐作りがブームというのはうれしいことです。地元の大豆で作った豆腐をごちそうになったが、とてもおいしく、本物の味が求められているんだなと思いました。遺伝子組み換えなどはわかりませんが、おいしく安心に食べられるものは最高です。最近は一日十個ほど作れるようになりました。
(新聞「農民」1999.11.8付)
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[1999年11月]
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