“夏場のみかん”として魅力的淡路オレンジを全国ネットに産直関係者ら現地生産者を訪問
静岡の細江農産物供給センター代表の名倉正雄さんと理事の船越睦大郎さん、私(吉川・東海産直ネット事務局長)の三人はこのほど、幻のみかんといわれている「淡路オレンジ」を「夏場のみかん」として全国ネットにのせ、消費者に供給したいと、兵庫県連の植村一郎事務局長らの案内で兵庫県淡路島の津名町を訪ねました。 淡路オレンジは、非常に樹勢の強い木で、五月に花をつけ、翌年の六、七、八月に収穫できます。十月に食べても果汁は十分あり、夏場の柑橘としても魅力的です。鳴門みかんともいわれ、三百年前、阿波の領土の時、外から入ってきたみかんの種から自然になったもの。明治以降、淡路島全島に広がりました。その頃は、五十〜六十ヘクタール栽培されていましたが、オレンジの輸入自由化、甘夏や八朔、伊予柑に押され、だんだん減ってしまいました。現在では、淡路で三十二ヘクタール栽培され、このうち四割以上が津名町です。 その津名町で栽培している農家の中に山口章光さんがいます。山口さんは今年六月に兵庫農民連に入会、県連事務所前での毎週土曜日に開く朝市に出品しました。初めは物珍しさで買い求めた消費者が、翌週も翌々週も買いに来るなど、好評を得ました。 「これはいける」と確信した植村さんらは、淡路オレンジを守り、全国に紹介したいという思いで、八月末の長野県で開催された農民連全国研究交流集会に持参。試食した名倉さんらは「夏の時期に食べられ、酸味とにがみがあり、独特の風味がある」とびっくり。農民連の小林節夫代表常任委員からも現地に行き、全国に供給できるようにしてほしいとの要望もあって、淡路島を訪ねたものです。 私たちは山口さんと懇談し、園地も見学しました(写真)。五メートルの木や百三十年〜八十年前の老木が現在でも実をならしていることを知り、驚きました。名倉さんは「ほしいという消費者はたくさんいる。生産状況を調べ、どんどん作ってほしい。いまは生産者がどれだけいるかだ」と山口さんに話しました。「来年は立派な商品にする」と意気込む山口さんと剪定や肥料、防除など具体的な相談もしました。 また、山口さんの紹介で石上農園や大久保農園を訪ね、「農民連に入って、来年は一緒に産直に取り組もう」と訴えました。
(東海産直ネット・吉川利明/新聞「農民」1999.11.1付)
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[1999年11月]
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