農民連全国代表者会議ひらく第12回大会めざし飛躍を新聞「農民」の拡大を先行し「もの作る人増やす」運動へ全力
農民連は、十月十九、二十日の両日、東京で全国代表者会議を開き、四十都道府県連の代表約百人が参加しました。会議は、第十二回定期大会まで三カ月を切るなかで、米価の大暴落に加えたエサ用への投げ売りなど、日本農業を根底から破壊する悪政とのたたかい、また、農民の多様な要求を実現する運動を広げ、とくに「ものを作る人を増やす運動」や新聞「農民」を先行させた組織拡大を、班・支部を軸に大飛躍させ大会を迎えようと意思統一し、決意を固めあいました。 小林節夫代表常任委員はあいさつで、米投げ売り問題は、すべての農畜産物への攻撃の突破口になりうるもので、今後の私たちの展望にもかかわる重大問題、そのために全国的意志統一が必要となったと会議の意義を強調。また、攻撃への全面的な反撃とともに、「ものを作る人を増やす運動」や販路の拡大を組織をあげて取り組もうと強調。また、新聞「農民」の果たしている役割にふれ、大会めざして全国一丸となった拡大運動をよびかけました。 真嶋良孝事務局次長が米をめぐる情勢を報告。谷口一夫事務局長は十月二日の第五回常任委員会決定をもとに、(1)大判の新聞「農民」号外を全農家規模で配布し、広範な消費者にも配布するなど、米投げ売りを許さないたたかいに全力をあげる、(2)来春の全国大会をめざして、全ての組織が決めた目標の達成をめざし、新聞「農民」を先行させた仲間作り、(3)新婦人産直の発展、市場や小売り、卸などと提携した多面的な産直、販路の拡大など、当面する活動を提起しました。 討論では、山形県の代表は「北海道・東北ネットワークとして東京のお米屋さんのグループと交流し、米の卸を通して産直を進めている。十一月二十七日にはイベントを開催することになっている」と、活動を紹介。茨城県の代表は「県内でネットワークを立ち上げたが、かけ声だけになっていた。昨日から東京・築地市場に野菜の出荷を始めた。北足立市場とも始めたい。茨城が首都圏の市場の窓口を担えるようにしたい」と発言。 新聞「農民」の拡大について愛媛県の代表は、野村町の「自治体農政」の記事が二回にわたって掲載された新聞を計千九百五十部買い取って活用し、十月中に百部の目標に対して七十部を達成した経験を発言。「十二月末までに三百部の目標を掲げているが、すべての単組、役員が奮闘すれば達成できる。大型号外も二万部活用したい」と決意を述べました。また、新潟や埼玉、長野の代表は、地域での運動にも大きな威力を発揮している新聞「農民」の拡大目標を必ずやりとげると発言しました。 笹渡義夫事務局次長は「他の分野の活動がどんなに前進しても仲間作りが前進しなければ大会の成功はない」と強調。この間の経験を紹介し、拡大の絶好のチャンスとなっている今、農民連と新聞「農民」の役割に確信をもち、全力をあげようとよびかけました。 討論のまとめにたった小林代表常任委員は、新聞「農民」を先行した拡大問題がこれほど正面に据えられて発言された会議はかってないと強調。「悪政を転換するたたかいや生産点の運動、分析センターの威力の発揮でも、新聞『農民』を増やさなければ力にならない。役員を先頭に班・支部で大いに話し合い、激励し合って目標を達成し、来春の大会を意気高く迎えよう」と呼びかけました。
農民連が農水省交渉/ニセ新米では改善命令農民連全国代表者会議参加者らは十月二十日、米のエサ用への投げ売り方針の撤回、ニセ表示米の厳重な指導などを求めて、農水省と交渉しました。農水省は、ニセ表示米については「指導を徹底する」と述べる一方、米の投げ売りについては、構想発表直後の入札で大暴落したにもかかわらず、「効果があった」と言い張り、あくまで輸入米には手をつけず、日本の農家から買いたたくという反農民的な態度を鮮明にしました。食糧庁業務流通課の二井係長はニセ表示について、「都道府県や食糧事務所にどんどん告発してほしい。調査したうえで対処したい。改善の命令を出し、それでも改められない場合は、業務の停止、登録の取り消しなどの処置もありうる」と回答。今年になって、大阪、石川、富山、静岡で改善命令が出されていることを明かにしました。 また、「オーストラリア新米が宮崎の早場米にブレンドされた」という噂について、「われわれが現場に行った時には、現物は発見できなかった」と述べ、食糧庁が調査に動いたことが明らかになりました。 一方、米のエサ用への投げ売りについては、食糧庁計画課の西村係長は「投げ売りではない。生産オーバー分を処理しないと自主米価格が下がり、農家の手取りが減ってしまう。主食用から隔離しようということ」などと、木で鼻をくくったような答弁。その上で、政府の責任で過剰を処理する棚上げ備蓄は、「財政負担が大きい」と拒否しました。 「それならミニマムアクセス米を減らせ」「WTO協定の改定を提起しろ」との要請には、「協定上の約束がある」(食糧庁企画課・宮島係長)、「外交の手法で、個別の要求は明かせない」(経済局国際経済課・西浦課長補佐)と逃げの答弁。 参加者からは、「輸入しておいて、余ったら国産米を投げ売りするとは何ごとだ」「農家はますます作る意欲をなくし、日本農業崩壊のレールを敷くもの」と、厳しく農水省の姿勢を批判する声が相次ぎました。
(新聞「農民」1999.11.1付)
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[1999年11月]
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