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連載/これだけは知っておきたい介護保険(6・最終回)

改善を求める運動を起こそう


 十月一日から介護保険の認定を受けるための申請受け付けが始まりました。実態が明らかになるにつれて不安や疑問の声が高まっています。
 介護保険法の条文には住民の参加や見直しを義務づけており、私たちが意見を出し、改善を要求することはできるのです。みんなの力で改善の取り組みを大いにすすめることが、いま緊急に求められています。

すべての地域で介護の学習会を

 これまで見てきましたように、四十歳以上の人はすべて保険料をとられ、一割の利用料を負担しなければならず、認定審査も生活実態にあったものではなく、サービスの基盤整備が遅れているなど、さまざまな問題をかかえています。こうした問題点をしっかりつかみ、介護保険の内容をよく知ることが大事です。

 農民連女性部が中心となって、各地で介護問題の学習会を開いています。
 農民連第五回常任委員会は十月二日、介護保険問題について他団体の運動からも学び、学習、懇談を進め、自治体との交渉も行う方針を決めました。支部や班を基礎に大いに学び、話し合っていきましょう。

国や自治体への要求を強めよう

 憲法第二十五条、老人福祉法第二条、地方自治法第二条では、国や地方自治体が社会保障・社会福祉に責任を持つことを明記しています。これにもとづいて、現行のサービス水準を維持・発展させ、すべての高齢者が安心して医療・介護サービスを保障させるよう国や自治体に働きかけ、要求することが必要です。

 国に対しては、介護保険や高齢者福祉にかかわる国庫負担を増やし、保険料・利用料の負担を軽くし、高齢者に必要なサービスが出来るよう、市町村に財政援助の強化を求めることです。また、国と自治体が緊急にホームヘルパーなどの人材の確保や増員、現在の特別養護老人ホームの待機者を解消するなど、必要な施設を確保し、抜本的にサービス提供の体制を整備・拡充を求めることです。さらに、サービス体制が改善できるまで、保険料の徴収を延期することです。

 茨城県連は九月中旬、労働組合や民主団体とも共同して「介護保険の充実を求める全県キャラバン」に参加し、八十五市町村に要請しましたが、こうした取り組みが緊急の課題となっています。

住民参加で福祉のまちづくりを

 介護保険をはじめとする社会保障の運動は、だれもが安心して暮らせる二十一世紀を作り出すうえでも息の長い運動です。各地で「介護をよくする会」が結成され、住民参加の「福祉のまちづくり」運動(北海道美瑛町)も始まっています。
 いま、すべての自治体を対象に「介護保険をよくする会」などの組織づくりが始まっています。農民連の組織も他団体と協力し、地域に根をはった取り組みが求められています。

 介護保険を知るうえで参考本を紹介します。
▼『介護保険最新Q&A』(中央社会保障推進協議会監修・あけび書房・千円)
▼『介護保険をどう改善させるか』(中央社会保障推進協議会編者・あけび書房・千円)
▼『出直せ!介護保険』(伊藤周平著・自治体研究社・九百五十二円)
▼『介護保険のポイント―利用者とケアマネージャーのための本』(朝日健二著・桐書房・千五百円)

(新聞「農民」1999.10.18付)
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1999年10月

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