名古屋港・輸入食品見学のべ352回参加者5年で2万人に迫る労、農、女性団体など「この目で安全確かめたい」
愛知労連、港地区労、名港労協(名古屋港湾関係労働組合協議会)、全農林東海農政局分会など、愛知食健連(食料・農業・健康を考える愛知の会)に加わる労働組合が中心となって行ってきた、名古屋港への輸入食品の見学・学習会が、この八月、一万九千人を越え、二万人に迫る勢いです。 「平和で安全な港にしたい」とこの見学・学習会は、一九九五年から始まったもので、愛知県の消費者、生協を皮切りに、三重、岐阜、福井、石川、長野、静岡、富山の各県の生協組合員や農協婦人部、行政関係者、農民組合、生産者組合、新婦人、教師や学生など、今年の八月で三百五十二回、のべ参加人数一万九千百人を案内してきました。富山県の農協関係者が観光バス十五台で参加したときは、名古屋港ガイドもてんてこ舞いだったそうです。名港労協は、港湾労働者の生活と権利を守る運動とともに、五十年前の侵略戦争への反省から、「平和な港を守ってこそ、市民の安全が守れる」と長い間平和運動を重視して取り組んできました。最近では名古屋市民の環境を守ろうと、藤前干潟保全の運動にも大きな力を発揮した組織でもあります。 監視の目が光って変化も…十四年前からは、国民の暮らしに役立つ港づくりとして、輸入食品の見学・学習会を始めました。始めた当初は、キュウリの塩漬けやきのこの塩漬けが容器からこぼれるなどひどい実態で、野積みの現場では「許可は取っているのか」「写真は撮るな」「労働組合がなぜ見学者を連れてくるのか」などの圧力も相当強く、見学そのものがたたかいでした。しかし「輸入食品の実態は」「人間が食べる食品を雨ざらしにするな」と見学者がどんどん訪れます。全国的な運動、県議会での追及もあり、野積みは減少、厚生省の食品衛生監視員も増員されました。職場や業者の見方も「食品も他の貨物も同じ一トンの荷物」という見方から、「国民の食品として衛生管理、検査が必要」と変わってもきました。 日本の食と農守る運動と結んで数年前からは、「輸入食品の安全性ばかりでは片手落ちなのではないか、日本の農業も見直そう」と、全農林東海農政局分会の役員が交代で「安全な食糧は日本の大地から」「いかに日本の農業を発展させるか」をセットにした学習会を行っています。この運動に長い間たずさわってきた名港労協の土井照雄さん(愛知労連副議長)は、「最近は野積みはあまり見られませんが、民間の業者の倉庫や国内の加工産地へ運ばれています」「毎年港で開いてきたあいち食糧メーデーも今年で十回目。ゴミ問題、環境問題も取り上げ、食健連運動を大きく広げたい」と意気盛んです。
(愛知県連・土屋元義/新聞「農民」1999.10.11付)
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[1999年10月]
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