県都・新潟市のオフィス街旬の家庭料理が人気呼んで手作り郷土食レストラン「アトリエ四季」評判記
米も野菜も農民連に特注昼飯どき OL、サラリーマンで大賑い素材にこだわる経営者の谷さんお店の名前は「旬の家庭料理アトリエ四季」。周囲は市役所や裁判所、ビルの立ち並ぶオフィス街。OLやサラリーマンに「日替わりランチ」が大人気のお店です。「素材にはこだわっています」とは経営者でコックさんの谷良子さん。野菜は週一回、農民連下越センターから十品目前後の特別注文の野菜ボックスで仕入れ、お米も農民連の低農薬・有機栽培のコシヒカリ百パーセントです。足りない分を生協と組み合わせて補っています。 「おいしい味」だと毎日通う人もメニューはすべて手作りの和食や郷土食。中心メニューの「日替わりランチ」には、ぜんまいの五目白和え、里芋の枝豆あんかけ、冬にはノッペや新潟独特の塩漬け野菜を使った“煮菜”も登場します。「お料理の腕は下手でも、みなさんお米は本当においしいと言ってくださいます」と謙遜する谷さんですが、「塩分ひかえめ油ひかえめ」の料理に、ファンは多いよう。若いOLは「お母さんの味だ」「カロリーも控えめ」と感心し、サラリーマンも「ヘルシーで、体にいいね」と毎日通う人もめずらしくありません。 「伝統食列車」がきっかけで加工食品会社でお惣菜などの商品開発をしていた谷さんが、このお店を開店したのは四年前。「日本の伝統食を考える会」の「伝統食列車二号」がこの新潟を訪れたのをきっかけに、受け入れた母体でつくったのが「郷土食を作る会」。谷さんはこの会の創立時からずっと活動してきました。谷さんは「“食べる”ってことは基本的な部分ですよね。でもいま外食すると、野菜が極端に少なくて肉や油ばかり。地場産野菜と魚と大豆を中心にした、手作りの食事を提供したい。その思いがお店を開くきっかけでした」と話します。手間ひまかかっても郷土の味をでも本当は、外食産業向けの惣菜や半加工品が多種多様に出回っているなかで、野菜をたっぷり使った郷土料理は下ごしらえがたいへん。手間も時間もとってもかかります。産直ボックスの野菜は、大きさも不ぞろいで、旬になると来る日も来る日もナスばかりということも。品目もちょっと足りない。献立や調理方法に四苦八苦しながらも、谷さんはこう強調します。「でもこれは旬の露地のものという場合、仕方ないですね。商売となるとちょっと苦労しますけど。でも野菜の価格も均せばそれほど高くはないですし、お米の値段は本当に生産者の方には勉強していただいています。あんまりもうからないんだけど。ハハハ」とあくまで明るい谷さん。 農民連への温かいエールと受け取りました。
(新聞「農民」1999.10.11付)
|
[1999年10月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-1999, 農民運動全国連合会