食品大手各社「非遺伝子組み換え」へ走る米国の穀物生産・流通に大きな影響も
遺伝子組み換え食品の表示義務化を、農水省が二〇〇一年四月から実施するとの方針を打ち出していらい、食品メーカーの間では、輸入原料を非組み換えものに切り換える動きが急速に広がっています。 農水省の表示義務化は、きわめて不十分な内容ですが、これまで「安全なものに表示の必要はない」としてきた政府の論拠が破綻。一方、食品メーカーは「遺伝子組み換え食品は消費者に敬遠される」「消費者の不安を解消しなければ、販売が落ちる」とみて、一斉に「非組み換え食品」に向けて走り出している訳です。 大豆関係では、豆腐業界最大手の朝日食品工業が八月から非組み換えのアメリカ大豆に全量切り換え。一都八県で組織する関東大豆卸商組合連合会もことし十一月から非組み換え大豆を分別して共同購入します。 納豆は、タカノフーズなど大手五社が九月から「組み換えでない」という自主表示を実施。味カイ大手のハナマルキも、二〇〇〇年春から味カイなど全商品に非組み換え原料に切り換えて表示します。 大豆タンパク食品最大手の不二製油とグループ会社は、すべての商品を二〇〇〇年春までに切り換え、豆乳大手の紀文も非組み換え大豆使用を表示する方針です。 またトウモロコシでは、菓子業界につづいてビール業界も、キリン、アサヒ、サッポロが副原料として使用していたコンスターチをすべて非組み換えトウモロコシに切り換える方針を発表しています。
このほか丸紅、伊藤忠、トーメンなど商社も非遺伝子組み換え原料の分別輸入を開始。流通業界も大手スーパーのジャスコが農水省の案では、表示の対象外としている醤油、食用油を含めてすべての商品への表示を始めています。
一方、アメリカ国内でも、大手のベビーフード、ペットフード業界が原料から組み換え作物を排除、穀物メジャーのADM、カーギルなどが非組み換え穀物を分別流通して、欧州連合(EU)や日本に輸出する方向に動きだしています。
(新聞「農民」1999.10.4付)
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[1999年10月]
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