遺伝子組み換え食品新たに7品種「安全」確認厚生省部会未承認コーンなど
遺伝子組み換え食品にたいする安全性への不安が高まり、表示など規制の強化が求められているとき、九月十日の厚生省食品安全調査会バイオテクノロジー特別部会では、除草剤耐性のテンサイなど新たに七品種の遺伝子組み換え作物の安全性を確認したと発表しました。同調査会の承認を経て、十月から輸入、販売、流通を認めるとしています。 EU(欧州連合)ではことし六月、遺伝子組み換えトウモロコシ(Btコーン)の花粉がチョウなど昆虫に悪影響を与えるという研究結果が発表されると、ただちに新規の組み換え作物の承認を全面的に凍結しています。これにたいして新規遺伝子組み換え食品の承認を急ぐ日本の厚生省の態度は、国民の健康や安全の重視よりも、バイオ企業の利益を優先するものとしてきびしい批判は免れません。 しかも重大なことに今回、食品衛生調査会部会が承認した七品種の中には、さきに消費者団体が未承認のBtコーンがスナック菓子に使われているとして、厳重な調査を要求している一品種が公然と含まれていることです。 これはヤマザキナビスコ(株)のスナック菓子「プチコーン」の材料として使われているデカルプ社のDLL25です。デカルプ社は九八年にモンサント社に株式の百%を買収されている完全子会社で、日本モンサント社が申請したものです。すでに未承認コーンについては、農水、厚生両省も調査に乗り出し、「事実が確認されれば輸入を差し止める」と言明する一方で、厚生省の部会が輸入・流通を承認するとは、不法侵入者に免罪符を与え、未承認コーンを正当化するという不当極まるものです。 厚生省部会が「安全」確認した七品種部会が安全性を確認した七品種は次のとおり。(1)除草剤耐性ナタネ(ローヌ・プラン油化アグロ) (2)害虫抵抗性及び除草剤耐性ワタ(日本モンサント) (3)除草剤耐性テンサイ(アグレボジャパン) (4)除草剤耐性トウモロコシ(DLL25=日本モンサント) (5)除草剤耐性トウモロコシ(DBT418=日本モンサント) (6)除草剤耐性トウモロコシ(=ラウンドアップ・レディトウモロコシGA21) (7)除草剤耐性ナタネ(アグレボジャパン) なおデュポン社が申請していた高オレイン酸の大豆は承認を見送りました。
(新聞「農民」1999.9.27付)
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[1999年9月]
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