仙台「ふれあい農民の店」「土曜夕市」大にぎわい東北・北海道ブロック一体で協力
東北・北海道の農民連と産直センターは、「ふれあい農民の店」を盛り上げようと、九月四日午後二時から六時まで、仙台市太白区の西多賀商店街の駐車場で、多様な農産物を持ち寄り、土曜夕市を催しました。商店街の人達はテントを張ったり、片づけたり、陰ながら大変な協力をしてくれました。 品揃えの苦労「ふれあい農民の店」は、昨年暮れから、大型店に押されがちな商店街を振興させようと、商店街が店の家賃や売り子の人件費を負担するなど、頭の下がるような後押しを受けて開店されました。しかし、条件がそろって始めたわけではなく、できるところからやってみようという立場で始めただけに品揃えも思うに任せず、とくに暮れから春までは悪戦苦闘しました。でも、地場だけで年間荷をそろえるという注文は、しょせん無理でした。 呼び声も賑やかにこの夕市では、福島県会津農民連のソバうち(取り立て、ひき立ての夏ソバ粉一〇〇%)の実演をしながらの立ち食いをはじめ、各地の野菜や果物が並べられました。秋田の漬物イブリガッコ、北海道や福島のナタネ油などの加工品もたくさん売れました。リンゴの詰め放題三〇〇円とか、餅つきも人目を引きました。青森県鯵ケ沢の出身だというおじいさんは「ホタテ貝の炭焼きがあったので買って行き、家でビールを飲んでいたが、懐かしくなってまた買いにきた」と、残っていたホタテを全部買って行く一幕もありました。 佐藤三郎さんは、福島の郡山から一袋十数キログラムものタマネギをワゴン車いっぱいに積んで来ました。他の県のテントでは買いやすいように小袋に分けて売っているのに、佐藤さんは大きいネットに詰めたまま。「あれで売れるだろうか」と思っていたのに、一袋千円という安値のせいか、ほとんど売れてしまい、みんな舌を巻きました。ただ、生産者価格はいくらかな?とちょっと気になりました。
夕市を訪ねた多くのお客さんは、思わぬ豊富な荷揃えに大喜び。「ぜひ定期的に続けてほしい」と、期待を語っていました。 売り子初体験東北や北海道の農民連の仲間は、こういう直売は初めての人が多く、消費者との触れ合いに頬を紅潮させて呼び込みをしていて、とても元気が出たと夜の懇親会で語っていました。対面販売を初めて体験した秋田の仲間からは、「自分たちがどんなに消極的だったかを痛感した。この厳しい情勢のもとで、米の産直も期待が高まっているが、これまでの取り組みは“売ってやる”“買ってやる”だった」と反省の発言も。 発展させようよ次の日、東北・北海道産直ネットワークが結成されましたが、その時、来賓の商店会の理事長の佐藤邦郎さんは、「消費者の大きな期待に応えられる荷揃えができていないため、赤字続きで、組合内部で店の存続が議論になっている」とユーモアをこめた厳しい指摘がありました。それを受けて、店の近くの農民連の会員であり、この荷揃えに奔走している峰岸さんは、「このネットワークの力を実感した。宮城で会員拡大に頑張りたい」と発言しました。 西多賀の「ふれあい農民の店」は「流通の大きな変化に対応した多様な取り組み」という点で、農民連・産直協としても何としても発展させたいものです。
(新聞「農民」1999.9.20付)
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[1999年9月]
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