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教わった自然の豊かさ、農の尊さ…

愛媛で農業体験の東洋大生が感想

 「将来農業をやりたい、農業の現場を知りたい」という青年がとりくむユース・アグリ・クラブ(YAC)の農業ボランティア。今夏も十五人の学生らが、山形、福島、茨城、群馬、愛媛などに行っています。愛媛県明浜町の宇都宮利彦さん宅に行っていた東洋大学の山中一憲さん(20)、相原新太朗さん(20)から感想が届いたので紹介します。


教室では得られない「人生論」も

山中一憲(国際地域学部1年)

 はじめて来たこの町は、山と海に囲まれた静かな町でした。夜は静かで恐いくらい、星がすごくきれいでした。
 僕は、みかんづくりについてまったく知識がなかったけど、こんなにもいろいろ大変だとは思いませんでした。おじちゃん、おばちゃんは、一年を通じてみかんのできを考えて気候や天気を心配しなくてはならず、自然に左右される農業は本当に大変だと思いました。でもその大変な仕事を誰かがやらなくては、みんな餓え死にしてしまうんですね。

 みかん畑から、町と海を見下ろしながら飲むお茶は最高です。トロッコの運転も覚えたので、いつか役立つ時が来るかもしれないと思います。農作業を少しだけ体験して、大学の教室や本では理解できないことを感じることができました。

 おじちゃんは驚くほどいろいろなことを知っていて、話はそこらへんの大学教授より、よっぽどためになりました。農業のことだけでなく、人生の生き方の話もものすごく参考になった。あんなに熱っぽく語ってくれる人はいない。おじちゃんの豪快なところは最高でした。今までの人生のなかで最高の夏でした。

農業にかける熱意を感じた

相原新太朗(国際地域学部2年)

 「ごちそうさま」。僕はまずこの言葉を言いたいです。おばちゃんは愛媛の郷土料理を食べさせてくれて、とてもうまかったです。おっちゃんは、「最近はスーパーで一年中いろいろな食べ物が売られているけど、旬の物を食べるのが健康にとってはいいんよ」と言っていたけど同感でした。

 今回、農業ボランティアをやろうと思ったのは、農業に多少の関心があったのと、四国に行ってみたいという軽い気持ちからでした。
 ところが農作業を実際に体験してみて、その大変さ、日本の農業に対する熱意を感じました。自然の豊かさ、人々の温かさ、やっぱり田舎はいいものです。

 このような農業体験が浸透していけば若者の農業に対する理解が深まると思います。この一週間、おっちゃん、おばちゃんの負担も大きかったと思いますが、ほんの少しでも農作業が役に立つならうれしいです。

(新聞「農民」1999.9.6/13付)
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1999年9月

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