米の投げ売り全中に各地で批判続出全会一致「受け入れられぬ」/JAあきた北農協が意見書
JAあきた北農協は八月三日に農政対策本部会議を開き、全中の「水田営農大豆基本政策確立対策案」を討議しました。その結果、全中の構想は「受け入れられない」ことを全会一致で意思集約し、その旨を文書で提出することを確認しました。同時に、「米の投げ売り強要をやめ、食料自給率引き上げを求める請願」を満場一致で決議し、ただちに衆参両院議長あてに送りました。 討議のなかで、「『あきたこまち』が飼料用に回される途中で、主食用に流れるのは明らかだ。絶対に許されない」「豊作を喜べない政治は逆立ちしている」「WTO次期交渉にあたっては、ミニマム・アクセス米の撤廃、米の自由化に反対することだ」「自民党は農業と農民を苦しめてきた。支持をやめよう」「生産意欲を高めるためには、農産物価格の保障や農家への所得保証が必要だ。『構想』では、これらのことが示されていない」など、怒りの声が続出しました。
長野JA上伊那農政委でも反対意見次々と長野県伊那市のJA上伊那農政対策委員会が八月六日に開かれ、全中の米”投売り”構想に反対の意見が続出しました。上伊那農民組合は、JA上伊那本所や支所、農政対策委員会の全委員に「農民」号外を郵送し、会議当日も会場前で宣伝。会議に参加した上伊那農民組合員などから討議の様子を聞きました。会議では、JA上伊那の井口組合長が冒頭、討議期間が短すぎると全中を批判したうえで、上伊那農民組合からの申し入れがあり、同感であるとの趣旨の話がされました。県農協中央会の担当者が全中の構想を説明しましたが、構想反対の意見が次々に出ました。 「飼料米への新米一表六百円の投げ売りは許せない」「全中は先に政府・自民党に根回しされて、組織討議案を作っている。組織討議のやり方が逆さまで納得できない」「県中の会長が全中の副会長になったら、構想反対の意見を上にあげられるか心配だ。ちゃんとした意見を全中にあげよ」
次々に出される反対意見に押されたのか、担当者は「実は、私も全中のやり方はおかしいと思っています。長野県中としても全中にはっきり言いたい」と発言しました。 (上伊那農民組合 飯島光豊)
福島・JAあぶくま石川農協も県中に意見書福島・JAあぶくま石川農協(永沼幸人組合長・県中専務)は七月三十日、「平成十一年度水田営農・大豆基本政策確立対策討議資料」(JA討議案)を討議した結果、「これではやっていけない。とんでもない」と、県中に意見書を上げることを決定。県中専務のお膝元で、理事、監事に加え、稲作部会、農青連、女性部の主だったメンバーが出席して出した結論に波紋が広がっています。営農経済委員会委員長の野内多吉さん(理事、水稲・野菜農家)は、「農家の汗と涙の成果をこういう形で処理することに憤りを感じる」ときっぱり。討議案を説明した営農課長も、「勉強会で全中の人に、大豆・麦の振興にどれくらい財源があるのか聞いたら、『転作奨励金の範囲内』という答え。ここのような中間山地は切り捨てられる不安がある」と、やるせなさをにじませています。 理事の角田勝・福島県南農民組合副会長は「農家は、農協に対して『本当に自分たちのためにやっているのか』という疑念と、無くなっては困るという両方の思いを持っている。討議で出された農家の気持ちをきっぱりと全中や農水省に主張すべきだ」と語っています。
(新聞「農民」1999.8.23付)
|
[1999年8月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-1999, 農民運動全国連合会