「農民」記事データベース990816-417-01

遺伝子組み換え食品検査へ

農民連分析センターに高まる期待

市民の手で検査運動を

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン、機器購入カンパにも協力


 遺伝子組み換え食品の表示の義務化をめぐって、農水省は「食品問題懇談会遺伝子組み換え食品部会」の了承をえたとして、日本に輸入される組み換え作物の九割は表示の対象外とする表示案を決定しました。

 これは大手食品メーカーやアメリカの要求、意向を色濃く反映したもので、消費者をはじめ広範な国民が強くのぞんでいる知る権利の保障、表示の義務化とはおよそ縁遠いものです。
 このような表示案が実施されれば、これまで以上に日本への遺伝子組み換え食品の流入を野放しにし、食卓の安全が脅かされるとして、消費者団体では危機感を強めています。

 遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーンは、八月四〜五日に開いた学習討論会で今後の運動について論議しました。そのなかでは、農水省が組み換え食品の大部分を表示から外そうとしているのに対抗して、「市民の手による遺伝子組み換え食品検査運動」を多くの団体に呼びかけて強力に推進していくことを申し合わせました。

 この運動は、市民が市販の食品の遺伝子組み換え混入実態を知ると同時に食品企業に非組み換え原料へ切り替えさせる動機にしていこうというもの。検知費用は一検体二万〜四万円ほどかかるため、多くの団体、個人に訴え一口千円(一人何口でも)の拠金を集めて進めることにしています。

 会議では、農民連の食品分析センターが、「PCR法」による遺伝子組み換え判別のできる機器購入を準備し、カンパをよびかけていることが話題になり、「一日も早く遺伝子組み換え食品の分析ができるようにして欲しい」「農民連で分析できれば、わざわざアメリカまでサンプルを送らなくともよいし、もう少し安く出来るのではないか」などの強い期待の声がだされました。

 また「いつごろから機器を備え、検査が出来るようになるのか」「あとどのくらい資金が足りないのか、カンパにも協力する」「分析技術者がいなければ分析にも協力する(大企業の研究所にいた専門家)」という意見も出されるなど、いまの情勢の中で、一刻も早く農民連食品分析センターの遺伝子組み換え分析が開始できるよう市民、消費者団体からも強くのぞまれています。


9月検査開始へ全力

農民連食品分析センター石黒昌孝所長談

 遺伝子組み換えをしたかどうかは、PCR法で判定できます。これは組み入れた遺伝子部分を増幅して、電気泳動させ、発色し、泳動パターンによって検出します。
 いま消費者や市民の立場に立った遺伝子組み換えのチェックが痛切に求められています。この期待に応えて農民連分析センターは、九月中には遺伝子組み換え試験を開始できるよう全力を挙げて準備しています。そのためのカンパ運動も呼びかけていますので、積極的なご協力、ご支援を心からお願いします。

(新聞「農民」1999.8.16付)
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1999年8月

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