温暖化対策・CO2削減に逆行する実態を究明火電問題全国交流集会に参加して
火電問題全国交流集会が七月十七日から三日間、和歌山で開かれ、約七十人が参加しました。これは一昨年の地球温暖化防止京都会議を期に、全国の火電問題に取り組む住民団体が連絡会を結成し、年一回全国交流集会を開くことになったもので、今回で三回目です。
集会では、御坊高専元教授・梅枯れ調査研究グループ事務局の瀬戸幸作先生、南部川農民組合の中家克巳組合長が御坊火電と梅枯れの現状、汐見文隆医師と関電株主の会代表の松浦雅代さんが和歌山LNG(液化天然ガス)火電経過の経緯についてそれぞれ報告。 参加者は一日目に和歌山市の雑賀崎(さいかざき)沖埋め立て、二日目に同市の住友金属が関西電力に売り渡したLNG火電の各計画予定地、三日目に南部町岩代の梅枯れ被害園地を見学しました。住金埋め立て地では、案内してくれた同社出身の渡辺市議は「LNG火電建設の際、ここをけっこう深く掘り返すが、そのときにダイオキシンが飛散することは明らか。今日のような強風が吹けば、紀伊半島全域に広がりかねない」という話に身の毛もよだってきました。 梅農家との懇談では、「火電の近くでは、全国どこでも同じような樹木の枯れが見られる」という話を聞きました。「松枯れがひどい地域の子どもたちは、『山の色は赤』という認識しかない」(広島・竹原火電)、「ビニールハウスの汚れがひどく、手袋をつけないと作業ができない」(愛知・碧南火電)など、具体的な事例が報告されました。 各地から出された共通の課題は、(1)小学校の健康調査を火電操業前からさかのぼって公開させ、その推移を分析させる、(2)国は「全力をあげて」地球温暖化対策・CO2削減に取り組むというが、電力会社は原発と火電の推進しか事業計画を立てておらず、温暖化対策に逆行している点を追及する、などに取り組み、そのためにお互いの情報交換・交流を活発にすすめていくことを確認しました。 梅農家は「梅枯れがどんどんすすむにつれ、あきらめ気分が出始めていたが、全国のみなさんの話を聞いて、今後の運動の取っ掛かりが見えた気がする」と語っていました。
(南部川農民組合・中田/新聞「農民」1999.8.9付)
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[1999年8月]
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