遺伝子組み換え食品輸入世界一の日本で安全確認されないまま市販されていた!コーンスナック菓子などから検出「表示」拒む政府の論拠崩れる
世界最大の遺伝子組み換え食品輸入国日本では、「厚生省が安全確認したものだから、安全なものに表示の必要はない」と遺伝子組み換え食品の義務表示を拒否してきました。ところがこの根拠が完全に崩れさる重大な事実が明らかになりました。 欧州で締め出されたBtコーン同事務局では、米コーネル大の実験で、遺伝子組み換えBtコーンの花粉でチョウの幼虫が死亡するなどの有害性が明らかになり、ヨーロッパなど各地でボイコットされた組み換え食品が日本に流入してきている可能性もあるとして、コーン食品を中心に遺伝子組み換えトウモロコシ(Btコーン)の使用状況を調査しました。
調査したのは、市販のスナック菓子、コーンスターチなど十九検体を無作為に買い求め、米国のジェネティク・ID社に分析を依頼して検査しました。 検査した米分析会社も「驚いた」これについて安田節子事務局長は、「わずか六サンプルの検査で、これだけの未承認ものが出てくるということは、日本の安全確認なるものが、いかにいい加減で尻抜けかということです。このままでは他国が排除した遺伝子組み換え食品が、日本にどんどん入ってくることになる。当局は至急回収と輸入差し止め処置をすべきである」と強調しました。記者会見に同席した食品分析会社ジェネティク・ID日本代表の塙章事務所長は「日本で未承認ものが出たことに正直言って驚いている。データーの信頼性について、所属官庁から要請があれば情報開示もやぶさかでない」と語っています。
また、未承認の遺伝子組み換えコーンが検出されたスナック菓子会社は、恐らく原材料表示がないため知らずにこれらのコーンを買って使っているものと思われます。 市民に一口千円のカンパ訴え遺伝子いらないキャンペーンでは引き続き、遺伝子組み換えの混入の実態を明らかにする運動を行う方針で、一口千円のカンパを集め市民の手による検査をすすめていきます。農民連食品分析センターで、PCR法の遺伝子組み換え装置が入り、分析ができるようになれば、わざわざアメリカに送って分析する必要もなくなるわけで、一日も早い分析開始が待ち望まれています。
分析依頼主:遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン 分析検査実施者:GeneticID社
されたもの、×は遺伝子組み換え体の存在は特定されなかったもの
「遺伝子表示」原料段階で義務づけを消費者団体、農水省に強く要請「遺伝子組み換え表示を原料段階で義務づけてほしい」――主婦連合会、全国地域婦人団体連絡協議会など、二十七の消費者団体代表らは、七月三十日、農水省に要請しました。食品表示問題懇談会委員の伊藤康江・消費科学連合会事務局長も出席。農水省食品流通局の吉村馨品質課長、大西詳三食品表示対策室長、川村和彦課長補佐が対応しました。
農水省は八月にもとりまとめる表示方法について、表示義務を豆腐などごく一部の食品に限り、油やしょう油など大部分は「科学的検証が不可能」という理由で対象から外そうとしています。
伊藤さんは「検知できないものはしない、流通にも物を言えないでは、表示問題は一歩も前に進まない」と行政の姿勢に強い懸念を表明。安田節子・消費者連盟事務局長は「アメリカや大企業のために表示の範囲を限定するもの」と批判しました。
(新聞「農民」1999.8.9付)
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[1999年8月]
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