ガラスハウスを会場にピアノコンサート

500人が夏の一夜楽しむ／福島・郡山市

　福島・郡山地方農民連の会員も参加している「逢瀬ゆめくらぶ」による「河野康弘ピアノコンサート・ほたる鑑賞会」が七月十日に郡山市逢瀬町で開催されました。

　当日は朝から降りやむ気配のない雨脚。「これでは人出に響くのでは」との心配をよそに、赤く色づいたトマトがたわわに実をつけているガラスハウスに五百人をゆうに超える聴衆が集まりました。土曜日の夜ということで、家族連れやグループが大半を占め、近所の農家、生産者の仲間たちに混じって野菜ボックスを購入している消費者と思われる方々の姿も見られます。

　ハウスの中には、ピアノが置かれた特設ステージ、それに向かって畝が立てられ、入り口で渡された米袋を敷いて座ると、それが指定席です。開演三十分前にトマトのもぎ採りが行われ、聴衆みずからが畑でもぎ採ってきたトマトをほおばって演奏を待ちました。

　ＴシャツにＧパン姿のピアニスト河野康弘さんは、自然派ピアニスト。その名のとおり、気取りのないやさしい話に、聴衆はすぐに溶け込みました。
　最初の曲目は「冬眠ピアノお目覚め曲」で、鍵盤を端から端まで使った演奏は、さながらピアノが目覚めるというのがピッタリな曲。その後は一緒に歌ったり、手拍子したりと、全員参加のハウスコンサートは大いに盛り上がりました。

　このコンサートを主催した「逢瀬ゆめくらぶ」は会員が十四人で、生産者の七組の夫婦、家族が活動を続けています。毎年百五十人規模のイベントを開催、今年は第四回目。だんだんと盛況になりパワーアップしているコンサートと当日の段取りの素晴らしさは、生産者と消費者がガッチリと結びつき、「顔の見える関係」をつくってきた「逢瀬ゆめくらぶ」が自ら積み重ねてきたこれまでの実績を実感できるイベントでした。