農業技術研究グループが交流会すぐれた栽培技術持ちよって神奈川土つくり研・農の会が主催
安全で美味しい農産物をつくるため、土づくりを基本に有機農業を系統的に研究し、実践している二つの農業技術研究グループの農家が腕によりをかけて作った農産物を持ちより、試食しあいながら研究結果を発表、学びあう交流会が神奈川県で開かれました。 その一つは、農民連会員が中心になって結成、十年の歴史をもち、地道な研究を積み重ねている神奈川土つくり研究会(諏訪部明会長)。もう一つは、農民や技術者、研究者などで組織している農の会(柳下登会長、農民連団体加盟)。ちょうど土つくり研究会が恒例の研究発表会を開くのを機に、作物を丈夫に育てる土つくりを系統的に追求してきた農の会が、他流試合ならぬ合同研究会を申し入れて開かれたもの。 両者の共催による「農産物比較検討会ならびに栽培事例発表交流会」は、七月二日海老名市商工会館で、三日は現地視察を行いました。技術検討交流会には両組織の農民会員、研究者をはじめ「生産者と消費者が手をつなぐ会」の消費者、ホームページの案内で知って飛び入り参加した遺伝子組み換え食品に反対する若い女性グループなど、仰々しい会合の名称とは裏腹に多彩な顔ぶれ五十人近くが参加して和やかに進行。 栽培事例の発表では、十年のキャリアを持つ神奈川土つくり研究会のメンバーが、牛糞や稲ワラ、米ぬか、粉炭などの有機物を多投し、木酢液やゼオライトなどの土壌改良材を使って土壌消毒をやらず、減農薬で生態系を生かした土作りをすすめ、トマト、キュウリ、タマネギ、トウモロコシ、ピーマンやメロン、キウイ、ブドウを作っている豊富な実践を報告。農の会からもトマトやブドウ栽培、野菜の病害対策における木酢液の効果などの研究報告が行われ、熱心に技術検討が行われました。 農の会の柳下会長は、「土つくり研究会の実践は、それぞれの条件に応じた土つくりを正しく理解して、豊富な成果を挙げており、技術水準も高い」と評価。飛び入り参加した大和市の消費者グループも「地元にこんな立派な研究をし、安全な農産物を作っている生産者がいることを知って感激。これからも交流していきたい」と語っていました。なお、十年の歴史をもち、七十人の会員を擁する神奈川土つくり研究会は、県の農業技術課が後援する「神奈川環境保全型農業実践者交流会」にも参加。土つくりの諏訪部会長が交流会の会長も勤め、リーダー的な役割を果たしています。また木酢液の研究を十年余わたって続けている同研究会では、藤野町に二つの炭焼き窯を所有。県から集煙装置やまき割り機械購入の補助もうけ、木酢液を採集、会員に提供しています。 翌三日には、愛川町でワラや木くず、米ぬか、木酢液などで土を生かしたブドウつくりをしている諏訪部さんのブドウ園、中井町でキウイの有機、多収栽培している大原好文さんのキウイ畑を見学しました。
(新聞「農民」1999.7.26付)
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[1999年7月]
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