世界に広がる遺伝子組み換え(GM)食品ノー!
ボイコット・規制へ動く
遺伝子組み換え(GM)食品をめぐって、いま世界は大きく揺れている。「バイオ国家戦略」のもと、GM食品の開発、売り込みで、世界の食糧・農業支配を企むアメリカ。これに対抗、EU諸国を始めアジア、ラテンアメリカなど世界の各地では、自国の食料、農業守れとGM食品の規制、ボイコット運動が大きく燃え広がり、WTO次期交渉の大きな焦点に浮上している。
EU諸国
- すべてのGM食品(種子、資料、農産物、加工食品、食料添加物、香料)の表示義務化(98年9〜11月)
- GMトウモロコシ(Btコーン)の新たな認可を凍結(99年5月)
- 環境相理事会がEU法を修正し、GMの規制強化で合意。当面、新たなGM食品の生産・流通を禁止(99年6月)
- 英国セインズベリーなど欧州6ヵ国のスーパーチェーン各社が連合して生産、流通、加工、販売のすべてにGMが混入していないことを証明できる体制を確立
- EUが輸入する米国産トウモロコシの輸入は、GM品種混入を嫌い、98年は前年の6分の1に激減
スウェーデン
オランダ
- GM大豆を使用したすべての食品に表示義務化(96年12月)
- GM生産の特許を禁止
オーストリア・ルクセンブルグ・ノルウェー・デンマーク
イギリス
- すべてのGM食品の表示義務を法制化。レストラン、カフェーのメニューも表示対象に。違反は罰金百万円(99年3月)
- 自治体協議会は学校、庁舎、養老院での給食にGM食品を禁止する決定(99年2月)
- すべてのGM作物の栽培禁止を検討中
- チャールズ皇太子も「GM食品を食べない」と表明。ホームページにGMフォーラムを開設し1万件を越える応募
- 多国籍企業ユニリーバ、ネスレ、マクドナルドもGM排除を表明
フランス
- GM食品表示義務化(97年2月)
- Btコーンの種子販売、栽培を一時凍結(98年9月)
- GMナタネ、テンサイは栽培禁止(98年10月)
スイス
- GM使用食品容器に表示義務化(98年3月)
- GM食品禁止国民投票で、僅差で不成立(98年6月)
ギリシャ
インド
- 南インド・アンドラブラディシュ州がGM作物の栽培を全面禁止(98年)
- 市民、農民はモンサントが試験栽培中のGMコットン(ワタ)を引き抜き燃やすなど、全国でモンサント追放運動を展開中
- 最高裁判所がモンサントのBtコットン試験栽培を全て停止する判決(99年2月)
オーストラリア・ニュージーランド
- 両国の合同食品基準協議会は、これまでの表示不要を撤回し、全てのGM食品に表示義務化を決定(98年12月)。現在、両国食料局が実施方法を検討中
マレーシア
タイ
- 農業副大臣がGMワタ(Btコットン)試験栽培委員会を廃止宣言(99年春)
日本
- GM食品22品種を認可し、無表示で流通
- 農水省が、GM食品の表示のあり方を検討中
韓国
ブラジル
- 農水省はGM大豆など5品目の生産・販売を許可したが、27州ある全ての州政府が一次凍結せよと表明(99年5月)
- 大豆主要産地のリオ・グランデ・テル・スル州はGM大豆禁止を宣言
ラテンアメリカ
- ラテンアメリカ諸国約50の農民・環境・消費者団体がエクアドルに集まり、GM作物に反対を表明(99年1月)
アメリカ
- GM作物の開発・輸出国で、表示義務なし
- メーン州議会にGM食品の表示法案が提出された(99年5月)。ニューイングランド州も表示を検討中
カナダ
- GMナタネなどの生産・輸出国で表示なし
- モンサントのGMによる牛成長ホルモン(rBGH)の製造・販売を禁止(99年1月)
(新聞「農民」1999.7.12付)
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