低い農村女性の地位自家労賃控除など改善せよ藤田スミ議員、農水相に要求/衆院農水委
五月二十七日、衆院農水委員会で藤田スミ議員が「新農業基本法案」の質問に立った際に、農村女性の地位向上について言及しました。 藤田議員は「先週農村のお母さんたちと懇談(これは農民連女性部との懇談のこと)しましたが」と切り出し、「農村女性が労働の報酬をきちんと受けることができない状態がある。農業経営の不安定さ、きびしさの反映。その中で自分の取り分をよこせとは言えない。農村女性の地位の低さは日本の農業の地位そのままを示していると受けとめざるをえない」と説明し、中川農相に答弁を求めました。 農相が「農業者の婦人と懇談したとき、経営を把握していて驚いた。女性の存在が大きい」と応えたのに対し、議員は「女性が経営の大変さを知っているからこそ取り分を言えず、タダ働きをしている。市場原理に放り投げるのではなく、価格・所得対策をして経営を安定させることが重要」と意見を述べました。 さらに議員は「税制上、女性の働き分が評価されていない。自家労賃の控除を認めることは女性の労働を認めることである。関係省庁に提起し、先頭に立ってほしい」。農相「省内で総合的に検討しろと言ったばかり」。議員は間髪を入れず「一肌脱ぎましょうとなぜ言わないのか」と迫り、農相は「取り上げるかどうかは別として、税制上のことは検討すべき課題と申し上げたい」と答弁し、検討課題にすることを約束しました。 傍聴には農民連女性部から五人が参加。棚橋順子さんは「農村女性の地位向上がとり上げられてよかった」。斉藤ゆみ子さんは「農家女性の労賃は、専従者控除から計算すると夜遅くまで働いているのにアルバイト程度の労賃ということになる」と感想を述べ、これからも国会で取り上げてほしいと要望がでました。
(新聞「農民」1999.6.14付)
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[1999年6月]
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