続・我田青春――稲作体験レポート(第1話)田んぼの温もり、手と足で実感
黒い田んぼがみるみる緑色にはじめまして。新入部員の池田といいます。「我田青春」部のホームページを見て参加しました。農業に夢をかけるサラリーマンです。さて五月二十二日に前半のメインイベントの田植えを行いました。天気は、日差しが刺すほどでもなく、むしろ風が強く、ちょっと肌寒さがありました。作業をするには、ちょうどよかったといえます。田植えの作業は機械(歩行型)を使います。黒い田んぼに、見る見るうちに緑色の苗が見事に植えられていき、やっと田んぼらしくなりました。 機会はスイスイ、肝心の足の方は?田植えの機の操作は、ほとんど石井さん(手伝ってくれた船橋の農家)のサポートなしでは操作できません。特に、ターンが難しかったです。機械はスイスイ動いて方向転換しますが、肝心の人間が田んぼに足をとられてついていけません。機械様々ですが、その機械でも植えられない所があり、そこは手で植えます。田んぼの中は思っていたよりも温かく感じました。作業をするので水の流れを止めたため、水温が上がっているせいでしょう。なんとなくホッとしました。手と足で田んぼの温もりを感じながら、五月のさわやかな風を体で受けるという、なんともいえない爽快感がありました。 素晴らしい自然の偉大さと不思議日頃、コンクリートとアスファルトに囲まれた中で生活しているものにとっては、ここは私をリラックスさせてくれるところです。こんな小さな苗が、数カ月後にはお米になるのかと考えると、自然の偉大さと不思議さを実感しました。また、農作業の一部を体験することで農家の苦労を実感できました。特に、化学肥料や農薬を極力使わずに農作物をつくるというのは大変な苦労がいることでしょう。それだけに、食べ物をつくるということに誇りをもった農民って素晴らしいと思いました。安全な農産物を食べたいという要求は、誰もが共通して持っています。これを実現させるには、私自身何ができるのかを考えさせられた一日となりました。
(池田 聡/新聞「農民」1999.6.7付)
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[1999年6月]
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