「農民」記事データベース20240325-1594-10

発見
農の現場から

大分県農民連会長 白石徳明


地域の農業活性化に
奮闘の日々

 昨年、大分県農民連の会長に就きました白石徳明(のりあき)です。住所は大分県の空の玄関口、国東(くにさき)市です。国東市は大分県の北東部にある国東半島の東側を占める農村地帯です。

 鳥獣による被害
 放棄地対策求め

 保守色の強い地域ですが、農業資材やエネルギー高騰による政治の無策には、農民からも怒りの声が上がっています。

 2013年にはクヌギ林とため池による伝統的農法が残っているとして、国東半島宇佐地域が世界農業遺産に選ばれました。国東市内にも250を超えるため池が棚田や小中の水田を潤してきましたが、過疎・高齢化によって維持管理が大きな問題になっています。

 近年ではイノシシによる水路や農地の被害も増えて耕作放棄の要因となり悪循環になっています。私の地域では、この耕作放棄地の復活を試みています。徐々に地域の人たちも関心を持って手伝ってくれるようになり、地域内の耕作放棄地を再整備し、イノシシや鹿などは山に帰ってもらう事業にしようと考えています。

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耕作放棄地の整備に取り組んでいます(中央が白石さん)

学校給食に
有機農産物の活用を

 無償化と地場産
 学校給食に求め

 県農民連でも、有機農業を目指す取り組みが始まっています。1月には、オーガニックビレッジ宣言をした佐伯市の取り組みについて学習会をしたところ県内各地から20人を超える会員や新聞「農民」読者の参加がありました。学校給食の無償化とあわせ「地産の有機農産物を子どもたちに」の思いは、安全・安心な農産物を消費者に届けたいという思いとも重なっています。

 まずは作るところから始めています。関心のある地方議員も各自治体で給食の無償化と安心安全な地元農産物の利用を議会で取り上げてくれています。

 その成果でしょうか、大分県内では有機農産物使用の学校給食を始めた自治体は3市ですが、前向きに取り組みを考えたいとの答弁が複数の議会で現れています。

 現在開かれている国会に届けようと、「食料自給率向上を政府の法的義務とすることを求める請願署名」の取り組みを始めました。県連では新日本婦人の会などの団体や各地の政党支部や議員をはじめ、JA、農業委員会等への申し入れなどを確認しました。

 全国の仲間のみなさん、農民の怒りを国民の怒りとして国会に届けましょう。国民の命と健康を守るためにも自民党政治を終わらせるためにも力を合わせて奮闘しましょう。

(新聞「農民」2024.3.25付)
ライン

2024年3月

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