旬の味
前回、AI(人工知能)と農業の関わりについて少し書かせてもらったので、続きを掘り下げてみたい。まず導入の恩恵を受けられるのは施設園芸における温度、施肥管理で、すでに先進地域では導入が進められている▼これに収穫、芽かき、出荷調整に作業用ロボットを組み合わせることで、人力の必要な場面は大きく省くことができる。露地野菜、水稲においては、ドローンでの農薬散布に続き、上空写真から見た施肥散布濃度の調整なども肥料高騰の昨今、現実になってくるだろう▼このように最新機材を用いた農業は農家にとって効率化をもたらすことは間違いないが、問題はその地域から人の営み自体が消失する瀬戸際に立っていることである。どれだけ効率化しようが、そこに住む人たちの営みが消失しては意味はない。効率化は人の雇用を奪うという側面もある▼若者が心から望んでいるものを、農業者の生き方にどれだけきちんと反映させて提示してやれるかが今後の地方の存続を左右することになるだろう。 (T)
(新聞「農民」2024.3.11付)
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[2024年3月]
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