原発から5キロメートル、
この土地で農業をする誇り
島根農民連 清原昭副会長
市民の関心高めたい
島根県松江市鹿島町にある島根原発(中国電力)は日本で唯一、県庁所在地に立地する原発です。中国電力は今年8月に2号機を再稼働させるとしています。島根農民連副会長の清原昭さんに話を聞きました。
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清原さんの後ろに見えるのが島根原発 |
私は米を3ヘクタールほど作って、キャベツやカボチャなども出荷しています。自宅や田んぼは原発から5キロメートル圏内です。原発ができる前から、ここで農業をしています。
2号機再稼働の動きに対して、私たち農民連や県内の諸団体が一緒になって反対運動をしています。先日も県へ申し入れをしました。
県の避難計画もいい加減ですが、中国電力はとにかく不誠実です。安全対策のミスや失態も相次いでいます。
1月の能登半島地震はあらためて実効性のない避難計画のずさんさが示され、全国の原発立地自治体の教訓になったと思います。島根でも、要介護者や入院患者の方たちを含めた避難計画が全く現実離れしています。
私は自分の田んぼに誇りを持っています。事故が起きたとき、体は移動できても農地を持って逃げることはできません。福島原発事故から13年になりますが、いまだ農業を安心してやれる状況にないことへの国の対応や反省が見えないことが問題です。
地元農家を含めた市民の関心をもっと高めていきたい。
(新聞「農民」2024.3.11付)
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