農家のための
税金コーナー
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確定申告節税のポイント
確定申告書第1表の所得金額の合計額(申告書の(12))が、所得税だけでなく以下の点にも大きく影響します。
(1)国保税の所得割額(『農家のための税金対策の手引き』69ページ)
国民健康保険税(料)の所得割は、所得金額の合計額から43万円を控除した額に、それぞれの市町村で決めた税率をかけて求めます。
国保加入者のうち2人以上に所得がある場合は、個人ごとに所得額から基礎控除43万円を差し引いた合計金額で計算します。また、事業(農業)所得の場合、計算式の所得額の合計額は、専従者給与(控除)を引いた後の所得になります。さらに控除した専従者給与(控除)についても所得額を計算し、事業所得および専従者給与所得それぞれから43万円を差し引いて計算します。専従者給与(控除)を適用した方が、国保税の軽減につながります。
(2)国保税の均等割および平等割の軽減(『手引き』69〜70ページ)
表のような加入者数ごとに確定申告の所得金額の合計額に応じて、均等割額と平等割額がそれぞれ7割、5割、2割軽減される仕組み(注1〜6)になっています。
(3)後期高齢者医療保険料の所得割額軽減(『手引き』71ページ)
後期高齢者医療保険料は均等割と所得割の合計となります。所得割は、総所得金額から43万円を控除した金額に、それぞれの市町村で決めた税率をかけて求めますので、所得金額に比例します。
(4)後期高齢者医療保険料の均等割額の軽減(『手引き』71ページ)
国保と同様、表の通り、所得に応じて軽減されます。世帯主が被保険者でない場合でも、その世帯主の所得が軽減判断の対象になります。世帯分離が有効です。
(5)(12)が48万円以下になったら、親族の扶養に入れます(『手引き』49、50ページ)
扶養控除は確定申告時に変更することができます。生計を一にする親族の間での付け替えが可能です。その納税者に扶養控除が適応され、所得税額や住民税額が軽減されますので、一番有利な方法を選択しましょう。
(6)(12)が38万円以下(市町村によっては45万円)になったら、市町村民税均等割が非課税となります(『手引き』60ページ)
住民税が非課税になれば、65歳以上の介護保険料、医療費の自己負担限度額、介護サービス、入院時の食事代などが軽減されます。(『手引き』60、61ページ)
(新聞「農民」2024.2.19付)
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