農家のための
税金コーナー
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確定申告の準備は大丈夫?
(1)税金ノートを使って農業所得をまとめましょう
農業所得額の計算は、所得に関する収入金額から必要経費を差し引いて、算出します。農民連の『農業収入・支出記帳簿』(税金ノート)を使って集計しましょう(詳しくは『農家のための税金対策の手引き』15ページから)。
◎販売がわかるもの
販売した農産物が入金される通帳や伝票、受け取り共済金の明細書など。
◎経費のわかるもの
経費は、収入を上げるために支出した一切の費用です(所得税法37条)。チリひとつ残さずに集めましょう。
・1984年の税制改正時に「納税者の負担にならないよう簡易な記帳でよい」と国会で付帯決議されました。日ごろから買いものをしたレシートや領収書を保存ケースなどにまとめておきましょう。領収書がない経費は、メモが有効です。日記帳、家計簿、カレンダーなどに月日、品目、金額、相手を記しておいて、後で『税金ノート』にまとめましょう。ただし、消費税を一般課税で申告する場合には帳簿と請求書などの両方を保存しないと、仕入税額控除ができません(『手引き』17ページ)。
・乗用車、自宅、水光熱費など家庭用と兼用で使用するものは、農業の使用割合を決めて、経費に計上しましょう(『手引き』19ページ)。
・使用可能期間が1年以上で10万円以上の機械や設備代は減価償却に記入しましょう(『手引き』20ページ)。
・経費の一つ一つが、所得税だけでなく、住民税、国保税(料)、後期高齢者医療保険料、介護保険料などの支払額に直接影響します。1万円の経費をひろい忘れたら合計2500円〜3000円の負担増になります。
(2)医療費の領収書や交通費をまとめましょう
医療費控除の適用を受けるには、医療費の明細書または医療保険者等の医療費通知書の添付が必要です。領収書は自宅で保管してください。公共交通機関の交通費も対象になります。家族中の医療費をまとめて、最も有利になる家族の一人につけましょう。少額でもセルフメディケーション税制が利用できます。所得金額が200万円を超える場合で、年間医療費が18万8千円を超えたら、従来の医療費控除の方法が有利です。(『手引き』46ページ)
(3)家族が要介護認定を受けたら、市町村に申請しましょう
要介護認定の家族がいる場合は、障害者控除の対象になるのか、必ず市町村に問い合わせてください。対象になる場合は、市町村から「障害者控除の認定書」が発行されます。
寝たきりの家族がいる場合は、障害者手帳がなくても障害者控除がとれます(『手引き』50ページ)。
(4)地震や台風など災害にあった場合は、資料を準備しよう
住宅や家財等(生活に通常必要な資産)に損害を受けた場合は、所得税法で定める雑損控除の方法か、災害減免法で定める災害減免による方法か、いずれか有利な方法で所得税等の軽減、免除を受けられます(『手引き』40、44、54ページ)。
事業用資産に損害を受けた場合は、所得の計算上、損失の金額を必要経費に算入することができます。損益通算しても引き切れない場合は翌年以後の所得から控除することができます(『手引き』23、14ページ)。
また今年1月の能登半島地震で被害を受けた人は、石川・富山県内で申告の場合は申請なしで申告期限が延長されます。申告地が両県以外でも被災された場合は税務署に申請することで、申告期限が延長できます。延長申請は申告期限後でも行えますので、災害が落ち着いてから手続きしてください。
(5)その他、所得や控除に関連する資料
給与や年金などの源泉徴収票、農協の出資配当金、株の配当金など(『手引き』29ページから)。年金・国保税・介護保険料などの支払い金額がわかるもの、生命保険・地震保険などの証明書。(『手引き』40ページから)
(新聞「農民」2024.2.12付)
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