原発ゼロめざす社会へ
再稼働、核のゴミ問題などで交流
原発をなくす会が全国交流集会を開く
「原発をなくす全国連絡会」は12月23日、全国とオンラインで結んで「第9回原発ゼロをめざす運動全国交流集会」を開催しました。
開会あいさつで全労連の石川敏明副議長は、「自民党政権は便宜供与をはかり、その企業・業界がもうかる仕組みをつくる。国民の声を聞かない政治を変えないといけない」と指摘しました。
日本共産党の笠井亮衆院議員が情勢報告を行い、この夏、衆院・経済産業委員で欧州視察に行き、現地の再エネの普及ぶりに一同驚いた、と表明。「デンマークでは現地の職員が日本地図を使って『日本こそできる再エネがある』と熱弁を奮い、自民党議員は『原発推進政策を実行している』とは言えなかった」というエピソードなどを報告しました。
「ふくしま復興共同センター」の野木茂雄代表委員が福島県内の現状と実態について報告。原発事故後、避難地域に指定された市町村で学校、病院、商業施設などが減り続けている状況などを説明。「原発事故は終わっていないことをあらためて共有したい」と述べました。
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報告する笠井議員(右)と石川さん |
各地から活動が報告されました。
「福井の原発立地地域の人たちとの交流、現地視察は電力の大消費地に住む私たちにとって本当に重要」(大阪)
「高レベル廃棄物の最終処分場は『受け入れ難い』としている知事を後押しする運動を強める」(北海道)
「対馬市では文献調査受け入れないと市長が表明した。『国は交付金を使って経済衰退、人口減少にあえぐ地域を誘導するな』という反対の声が大きく広がった」(長崎)
「東北電力の安全対策工事の不備について、住民団体として公開質問状を出すなどして運動を強め、再稼働予定を延長させた」(宮城)
「浜岡原発では新たな断層が発見され、これが活断層と確認されれば再稼働はできない。注目が集まっている」(静岡)
「川内原発の20年運転延長の是非を問う県民投票の実施は県議会で否決された。しかし私たちの運動に多くのメディアが注目し、『県民の声を聞かない議員は誰か』が可視化された」(鹿児島)
11月に発足した「ノーモア原発公害市民連絡会」の発起人の一人、伊東達也さん(いわき市民訴訟原告団長)は同会がつくられた経緯を説明。「きわめて深刻な人権侵害、環境破壊をもたらした原発事故。これに対して『国の責任はない』とした2022年6月の最高裁の不当判決の根本的是正を求めて、各地の訴訟団や多くの著名人、学者、弁護士が結集してつくられた。皆さんの支援・協力を呼びかけたい」と述べました。
(新聞「農民」2024.1.29付)
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