インボイス対応
影響さまざま
岩手県農民連
知らない人がまわりにいっぱい
学習会や懇談、要請旺盛に
消費税のインボイス(適格請求書)制度スタートにより、岩手県の生産現場にもさまざまな影響が現れています。
米・たばこ農家 消費税分支払う
昨年春ごろから、「免税農家からは米を買わない」「消費税分を引いた金額でしか買わない」という米業者が出てきました。
さらに、たばこ農家への影響も深刻です。たばこ耕作組合は当初、たばこ農家に対して「免税農家には消費税分を値引きして支払う」と通知してきました。しかし経過措置がある3年間は、消費税額の8割分を払うのがスジです。この観点で、二戸農民組合は耕作組合と懇談をしました。また農民連本部を通してのJT(日本たばこ産業株式会社)との交渉、国会での審議を経て、JT・たばこ耕作組合も「免税農家にも消費税額の8割分を払う」と、態度を改めました。
インボイス対応で申告を迫られ
「直売所から言われたからインボイス登録した。消費税を申告するなんて知らなかった」という農家がいるという話題になりました。
当初は県連役員の中でも「農協特例があるから農家への影響は少ないのでは」という意見もありました。しかし秋になって「消費税を申告するなんて知らなかった」という人が周りにいる例が相次ぎました。インボイス対応で、このような消費税申告者が確実に増えます。放っておけば、無申告でたいへんなことになります。このことから、周りの多くの農家を対象に、消費税学習会の開催を進めています。
各地で会員・読者増やす
チラシ配布して学習会を各地で
花北農民組合では12月上旬にチラシを配布して学習会を開催。会員外の2人が参加し、会員・新聞「農民」読者がそれぞれ1人増えました。「まだ周りに、困っている人がいるはず」とのことで、直売所との懇談も計画しています。
二戸農民組合九戸支部では年末に学習会を開催し、「直売所に出荷しているが、直売所からどのように支払われるか、改めて確認しなければ…。周りの農家にも声をかけよう」ということになりました。二戸農民組合浄法寺支部では一連の取り組みを通して2人を会員に迎えています。
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二戸農民組合九戸支部での学習会 |
胆沢農民組合は1月28日、単組総会の日に時間を別途とって、学習会を開催します。この間できていなかった、チラシを配布しての外向きの開催です。
全県で、すべての農家を対象に学習会・宣伝・声かけを広げる方向です。
(岩手県農民連 岡田現三)
(新聞「農民」2024.1.22付)
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