「農民」記事データベース20240101-1583-01

滋賀県農民連

若い仲間が増えた!

新規就農者を農民連で応援

 滋賀県農民連は地域の新規就農者への支援や畜産危機での農家訪問などに積極的に取り組んできました。そうした日常のつながりが実り、2023年には青年農家2人を仲間に迎えることができました。二人の農家を紹介します。


就農から10年 有機米生産者

近江八幡市 〓部里美さん(39)

 「農民連には色々助けられて、本当にありがたかった。だから農民連に誘われて入りました」。そう話すのは近江八幡市の有機米農家、〓部里美さん(39)です。

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笑顔の〓部さん

ベテラン農家の「植物目線」がカッコイイ
種もみ消毒、米検査、販路開拓…
助けてくれた 農民連とこれからも一緒に

 周囲に支えられ有機米を作る 

 〓部さんは就職した建設会社の農業参入にともなって近江八幡市に移住。会社が農業から撤退した14年から一人で営農しています。1ヘクタールほどだった水田も今は3・5ヘクタールまで増やし、10年間、有機米を作り続けています。「農民連の会員を含む地域の農家さんたちが自然相手に植物目線で作物を見ていて、格好よく見えました。定年退職してから就農しようとしても、もうこの人たちはいないという思いが就農を後押ししました」

 地元の営農組合から田植え機などを借りることができ、大型機械の操作も手助けするなど、地域の人の支援もありました。

 種もみの温湯消毒を相談した時にも会員から「農民連で一緒にやれば良い」と誘われ、今年からは米の検査も農民連で行うことになり、今年の8月に加入しました。

 生き物たちが住みやすい田に

 〓部さんは「田植え後も、除草のために何度も田んぼに入ります。そのときにほかの田んぼよりもたくさんの生き物が住んでいることに気が付きました。少しでも生き物が住みやすい田んぼを作ることをめざしています」と米づくりへの思いを語ってくれました。

 滋賀県農民連では〓部さんからの提案でジェンダーの学習会も検討するなど新しい動きが生まれています。〓部さんの加入が組織を変えるきっかけになっています。

※〓は「廣」の異体字。


祖父母の農地継ぎ新規就農1年目

長浜市 松井 彰さん(40)

 23年4月に就農し、6月に入会した長浜市の野菜農家、松井彰さん(40)は、「国の支援制度や出荷先、農業のやり方などを教えてほしい」と話します。

 松井さんは祖母の家庭菜園を引き継いだことをきっかけに就農を考え始めました。「祖父母の50アールの田んぼは町内の農民連の役員さんに預けていましたが、返してもらって4月から耕作を始めました」。その役員からの誘いで入会となりました。

 松井さんは、できるだけ農薬を使わないように野菜を栽培しています。「環境負荷のことを考え、琵琶湖の水質や生き物の影響を考えた農業をしています。ですが販路の確保が悩みの種です。そうした相談にも乗ってもらえたら助かります」

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カブの出荷作業中の松井さん

 就農希望者の定着促進支援を

 松井さんは新規就農者の定着促進の支援も必要だと考えています。

 「就農希望者は結構いるのですが、残るのは4人に1人。食べていけずに振り落とされてしまいます。農業で食べていける環境の整備や、初期投資が抑えられる第三者継承の支援が必要だと思います」

 滋賀県農民連の若林吉和事務局長は、「夏の仲間づくり集中期間の提起を受けて役員会で議論し、つながりのある人に積極的に呼びかけを決定。これに応えて二人が入会してくれました。これをきっかけに単組の活性化や野菜出荷者の拡大につなげていきたいです」と話していました。

(新聞「農民」2024.1.1付)
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2024年1月

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