石川県の農民連と新婦人
3年ぶりに収穫祭開く
“農薬の危険性を知った”
ネオニコのDVD視聴
新型コロナ感染が落ち着き始めたことで、石川農民連と新日本婦人の会石川県本部は、2020年以来の収穫祭を11月5日、金沢市平和町会館で開催しました。
野菜や加工品即売会は完売に
今年の夏は猛暑が長期間続いたことにより、農産物の生育に大きな影響を与え、米の品質の低下、野菜の高騰と品不足が続きました。水やりに汗を流し育てた野菜や加工品の即売会を会場で行い、早々に完売できました。
今回は、食の安全問題の理解を深めるために「静かな汚染ネオニコチノイド―浸透性農薬は〈いのち〉に何をもたらすのか?」のDVDを視聴し、農薬の危険性を知ってもらいました。
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DVDを視聴し、農薬の危険性を学びました |
安全な米づくり体験をひと工夫
農民連の会員、杉元聡子さんは、地元の小学生と一緒に、米作り体験をしてきた話をしました。
これまで行ってきた小学校での米作り体験を見直して、苗箱に手まきで種まきをして育てるところから始め、まいた種が苗となり、田植えから稲刈りをする、稲を束ねてワラで縛り、稲架(はざ)掛けをして太陽のもと自然乾燥させて脱穀をする――。昔ながらの一連の作業工程を体験した子どもたちの姿、日常の教育現場の先生と生徒の見たままの姿を語ってもらいました。体験で収穫した米の一部を種もみとして来年以降の後輩たちにつないでいく取り組みです。
また、県農民連の宮岸美則会長が、日本の食料と農業の危機について報告しました。
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生産者の話に耳を傾けました |
子どもたちとの交流を報告
おとなの責任を痛感した
外国で使用中止
日本は基準緩和
DVD視聴と報告の後に、ビデオの感想と、農家二人への質問や意見を出してもらい交流しました。
ネオニコチノイド系農薬をまき続けて栽培されている稲や野菜、除草剤を農道やあぜに散布して自然環境を壊し続けていること、ネオニコチノイドやグリホサートの成分が体内に残留し尿から検出されていることも明らかになってきています。
ネオニコ系農薬の危険性が明らかになり、予防原則の観点からEUをはじめ諸外国では使用を中止しているのに対し、日本では基準値を緩和して使い続けているのが実態です。発達障害・健康被害などへの影響も疑われています。
子どもたちと、安全な米作りの体験の話を聞き子どもたちの未来に何を伝えていけばいいのか、おとなの責任を痛感しました。
(新聞「農民」2023.12.18付)
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