大軍拡、憲法改悪NO!
第68回日本母親大会
山口
いのちとくらし守る共同大きく
「大軍拡、憲法改悪NO! いのちとくらしを守る共同を大きく」「核も、基地も、原発も、戦争もない平和な未来を子どもたちに」――第68回日本母親大会が11月25、26の両日、山口県山口市で開催され、オンライン視聴を含めて1万2000人が参加しました。
パレスチナ・ガザの即時停戦を
特別決議
憲法の平和的生存権を世界の人々に
全体会
1日目は全体会が行われ、室蘭工業大学大学院教授で、憲法学者の清末愛砂さんが記念講演しました。清末さんは、23年間続けてきたパレスチナ難民の支援活動を、ガザの子どもたちや美しい風景写真とともに紹介し、日本国憲法が前文で「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と述べていることに言及。この前文とともに9条、24条が一体となって、基本的人権の一部として平和的生存権を、世界中の人々を対象に宣言していることを強調しました。
自給率向上を!署名協力を訴え
「今日の運動」のコーナーでは、25を超える団体がアピール。農民連女性部は、エプロンに手ぬぐいを姉さんかぶりにして、高知県の文旦農家の野田睦美さんが「今こそ国内増産の農政に転換していくために、自給率向上を政府の法的義務にと求める国民署名へご協力ください」と、力強く訴えました。
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集会で自給率向上をアピール |
最後に、大会アピールに加えて、特別決議「イスラエルとハマスの戦闘の即時停戦、ガザ地区への人道緊急支援を、日本政府は停戦への外交努力に全力を」を、熱のこもった拍手で採択しました。
食料・農業の危機を共有
今日の学びを周りに伝え農を守れの世論つくろう
分科会
2日目は、11の分科会(特別企画含む)と3つの見学分科会が行われ、第6分科会「安全・安心な食料・日本の農業の再生を」には、会場いっぱいの164人が参加しました。
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大人気で満席になった食と農の分科会 |
農民連会長の長谷川敏郎さんが助言者を務め、最初にスライドを使って今の日本の食料と農業を巡る動きについて講演。牛を飼い、堆肥を水田に戻し、米を作り、山林を手入れする自身の日々の暮らしから始まり、世界の食料危機や日本の農家基盤の衰退、岸田内閣の農政と戦争する国づくりなどを縦横に語りました。
会場討論では、「新婦人で食と農の学習会を1年間続けてきて、実際に農業をやってみようと畑小組に発展。今年は有機農法でお米作りも始めた。種を守ろうと在来種の自家採種をしている若い生産者とのつながりもできた。農業を守りたいという志ある人は必ずいる。広くつながって運動を広げていこう」(山口県)という発言を皮切りに、「消費者として、今こそ『一口でも、一箸(はし)でも国産を』、ということを呼びかけたい。今日学んだことを自分の言葉で周りに語って、行動に移して、世論を変えていこう」(東京)などの発言が続きました。
一人でも多くの農家を残したい
滋賀県の参加者からは、「結婚した夫の実家が古くからの農家で、夫が亡くなり私が農地を相続した。でも1人では米作りもできず、手放そうか悩んでいる」と率直な悩みも出されました。
これに対し、熊本県農民連会員の紺屋本裕美子さんからは、「農業は苦労も多いけど、作物を育てるのはワクワクして楽しい。食料危機なのに農家が減っているいま、一人でも多くの農家に農業を続けてほしい。一人で悩まず、地域の人にも相談して、どうか農地を手放さずにがんばって!」とエールが送られ、満場の拍手がわきました。
また、福祉事業に取り組む大分県の参加者は、「就業支援として農福連携に関心を持って調べているが、どういう農業がいいのかと悩んでいた。長谷川さんのアグロエコロジーの話を聞いて、これからの方向性が見えてきた」と発言。
京都からの参加者は、「これまで中学校給食がなかった京都市でもいよいよ実施に向けて調査が始まったが、市は2万6000食の巨大給食センターを市の南端に造る計画だと言う。京都市は面積も広くて、観光客で道路は常時渋滞。運搬には長時間かかる。やはりセンターではなく各地域で、地場産を使った給食を食べさせたい」と述べ、地域運動を広げていく意欲を語りました。
最後に、分科会のまとめとして、「食と農の実態をもっと学んで、学んだことを周りに広げていこう」「国民の食を守るために、自給率向上を国の責務に位置付けるよう、求めていこう」などの5項目の申し合わせ事項を満場の拍手で確認し、閉会しました。
会場では農民連の「提言」パンフを103冊、アグロエコロジーパンフは参加者数を上回る175部を普及しました。
(新聞「農民」2023.12.11付)
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