中国ブロック交流集会
鳥取県米子市で
72人が参加
アグロエコロジー研究家 吉田太郎さんと
農民連政策責任者 真嶋良孝さんが講演
アグロエコロジーと農民連の「提言」を学習
11月12、13の両日に農民連中国ブロック交流集会が鳥取県米子市で開催されました。参加者は72人。今大会はコロナ禍の影響で延期も含め、7年ぶりの鳥取県での開催となりました。初日はアグロエコロジー研究家の吉田太郎さんと全国農民連政策責任者の真嶋良孝さんが講演しました。
吉田さんの講演では「小規模農業とアグロエコロジーの重要性」と題して、現在日本政府が進める「みどりの食料システム戦略」の問題点や、種子法廃止、大規模AI(人工知能)農業の背景など、多数の資料を用いながら説明した後、現在のあらゆる問題に対しては、小規模農業や有機農業が有用だと力強く報告しました。
また「慣行農法での肥料や石油、農薬を大量に使用する方法は限界に来ている。長い目で見れば有機農業の方が経営的、環境的に非常に優れている」と、海外を含めた多数の実践例で紹介されました。
真嶋さんは「食と農の危機打開へ〜農民連の提言〜」と題して講演。現在の日本農政がいかに農業を衰退させてきたか、その根本的な検証と反省がなければ農と食の再生はできないと訴えました。
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講演する真嶋さん |
さらに、日本農業の衰退の例として、「国連が日本を初めて飢餓国に認定した」ことを説明。しかし、「日本の農業の持つ底力は大いにあり、食料自給率の向上や農地の保全などを回復する可能性がある」と話されました。そのためには農政と政治の転換が早急に求められていると実感しました。
3班の分科会で活発に討論
2日目は分科会として「税金問題」「農業の現状と課題」「食の安全と農業」と題し3班に分かれてざっくばらんに参加者同士で語り合いました。インボイスや消費税の話、農業法人化の問題点、後継者不足の話、学校給食を通じて食の安全に取り組むことなど、短時間でしたが討論に熱が入っていました。
最後に、会員を拡大しようと各県が決意を新たに、幕を閉じました。その日は名峰大山の今シーズン初冠雪で、その雄大な景色を眺めながら気持ちの引き締まる思いでした。
(鳥取県農民連 土屋俊和)
(新聞「農民」2023.12.4付)
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