「農民」記事データベース20231120-1578-15

ゲノム編集魚に異議

漁業関係者のメッセージ
(要旨)

関連/全国食健連・秋のグリーンウェーブ集結行動&収穫祭


 9月23日に京都市で行われた「ゲノム編集魚を考える市民集会」に漁業関係者らのメッセージが届きました。一部を紹介します。

 食の安全を大切にし、水域生態系を守りましょう

 JCFU全国沿岸漁民連絡協議会事務局長・二平章(専門・水産資源学・農学博士)

 漁業の世界でも安倍政権時の2018年に戦後漁業法が改悪されてから、成長産業化の名のもとに、海や魚の世界にも「今だけ、カネだけ、自分だけ」で利益をめざす企業や投資ファンドの進出が目立ち始めています。

 とくに陸上養殖は漁業権の規制を受けず「届け出」だけで立地できることから企業や投資ファンドの進出が著しい分野の一つです。ゲノム編集魚を作り販売する「リージョナルフィッシュ社」も「大学発ベンチャー」の名を冠していますがその一つと言えるでしょう。

 ゲノム編集魚の作出・販売については、「食品としての安全性」、「地域漁業や自然生態系に与える影響」についての検証は不十分で、消費者や地域住民・漁民に情報が広く公開され、理解を得ているようには思えません。消費者や地域住民・漁民の理解を得ることをないがしろにして「企業利潤」を最優先して拙速に事業拡大をすすめているように見うけられます。

 「ゲノム編集魚」が本当に「安全・安心」ならば商品には自信をもって「ゲノム編集魚」の表示ラベルを貼り、消費者が商品選択できるようにして販売すべきでしょう。

 漁民が心配するのは「ゲノム編集魚」が海面養殖業者に提供され、「遺伝子操作された魚」が、海に逃げ出し天然資源や自然生態系に悪い影響を与えないかです。

 食の安全を守り、自然豊かな日本の水域環境を守るためにも、消費者の皆さんとの協力・協同の輪を広げて行きましょう。

 生命(いのち)優先の食作りを!

 NPO法人21世紀の水産を考える会代表理事・石井久夫

 世の中の商業の主体が「大量生産・大量消費型」に変化してきました。それに合わせて魚介類の生産と供給体制も変化している、といえます。

 日本でいえば終戦までの街中には中小・個人の小売店しかありませんでした。その後、量販店が生まれ、今では「量販店主流」の時代になっています。通常、大量生産・大量消費型の「大型量販店の仕入れ」は計画的であり、かつ、大量の「事前発注方式」のため、質、量が日々変化する「多種類の自然魚」よりも「養殖魚介類」または「冷凍魚介類」の方が事前発注しやすく、扱い易いのです。

 時代がアナログからデジタル方式の大型量販店の時代になっていることも養殖時代に向かっている大きな要因のひとつだと思われます。

 ゲノム編集においてもお金や便利の問題ではなく「生命(いのち)優先の食作り」に相応(ふさわ)しい技術なのか、自然由来で進化してきた全生命体の未来を考慮して頂きたい。

 合わせて、健康な天然魚介類がたくさんとれる「無農薬の地球環境づくり」を皆で急ぎ実行して頂きたい。


全国食健連・秋のグリーンウェーブ
集結行動&収穫祭
日時 12月8日(金)午後1時〜7時半
内容 第1部 衆議院第2議員会館第3会議室
  (1)午後1時〜2時 農林水産省への要請&交渉
  (2)2時〜2時半 文部科学省への要請&交渉
  (3)2時半〜3時 各地の活動交流
   第2部 エデュカス東京・地下会議室
  (4)午後4時〜5時半 学習交流会
    千葉工業大学准教授 福嶋尚子さん
   「食の権利を守る学校給食の重要性」(仮)
   第3部 エデュカス東京・5階会議室
  (5)午後6時〜7時半 収穫祭(参加費3千円)
※農水・文科省要請と学習講演会のZOOM
 ・ミーティングTD 889 7425 7224
 ・パスコード  36134
主催 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)
問い合わせ先 電話 03(3957)8900
       メール center@shokkenren.jp

(新聞「農民」2023.11.20付)
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2023年11月

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