全国災対連が
第2回オンライン学習会
被災者に寄り添った復興を
災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会(全国災対連)は10月18日、第2回となるオンライン学習会を開催しました。
 |
チーム王冠の伊藤さん
|
今回は被災者に寄り添った復興支援である「災害ケースマネジメント」がテーマ。宮城県石巻市の一般社団法人「チーム王冠」の伊藤健哉さんと東日本大震災復旧・復興みやぎ県民センターの小川瀞治事務局長が報告しました。
伊藤さんは「東日本大震災当時の法律では在宅の方は被災者扱いされていなかった。当時は1万4千世帯の在宅被災者が県内にいたが、支援をする人は皆無だった。自分たちが全部何でもやるしかなかった」と話します。
石巻市やその周辺で在宅被災者へ弁護士と協力しながら支援を行った事例を報告し、福祉の制度が災害復興制度を邪魔していた現実も指摘。
「在宅被災者の人は『助けてくれ』とは言わなかった。こちらが見極めて働きかける必要がある」と振り返り、「私は希望を持たないように生きている」といった被災者が初めて笑顔を見せたことなども紹介。「災害ケースマネジメントの制度があればもっと早くできた事例が多くある。被災者の実情をしっかり聞くことだ」と話しました。
小川さんは「避難所にいる人だけが被災者と思ったら大間違い」と指摘。「鳥取県では実態調査から、個別の事情に応じた支援の必要性が明らかになり日本で初めて災害ケースマネジメントが制度化された」と紹介。国の支援策への早期申請完了や、被災者ニーズへのきめ細かい対応、地域の課題としての認識が醸成されたなどの成果が上がっていることを説明しました。
また国も今年5月の防災基本計画の見直しで災害ケースマネジメントの整備が明記され、事例集や手引きが整備されたことも紹介し、「災対連として取り組むことが重要だ」と述べました。
(新聞「農民」2023.11.6付)
|