原発事故は国の責任
いわき市民訴訟原告らが
最高裁へ要請
「ノーモア・フクシマいわき市民訴訟」の原告団、弁護団、支援者は10月17日、最高裁判所への署名提出と要請行動、国会議員会館での報告集会を開きました。
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最高裁の門前で、出勤する職員などにチラシを配る参加者の皆さん |
いわき市民訴訟は今年3月の二審・仙台高裁で、国の責任を認めない判決が言い渡され、原告らは最高裁に上告しています。しかし昨年6月17日、最高裁は福島第一原発事故被害の救済を求めた生業(なりわい)、群馬、千葉、愛媛の4訴訟に対して国を免責。それにより、原発事故による国家賠償請求訴訟での司法判断は「すでにくだされている」として、上告不受理となる恐れがあり、原告団・弁護団らは昨年6・17判決見直しを求める世論喚起を強めています。
原告団らはこの日、6・17判決の見直しを求める「団体署名」、1696団体分を最高裁第三小法廷に提出。先月提出分と合わせて4007団体となりました。
報告集会の場で、いわき市民訴訟東京事務所の齋藤裕幸さんは「1枚の団体署名には、多くの人の思いが込められている」と述べ、原告団長の伊東達也さんは、「アルプス処理水汚染水の海洋放出は原発事故で苦しむ県民に二重の加害を与えた」と憤りを表明。
弁護団の中野直樹弁護士は「6・17判決は多くの法学者が、いかに間違った法解釈かを指摘をしている。本質的には政治の流れに屈したものだ」と指摘。弁護団共同代表の小野寺利孝弁護士は「国民はあの判決を支持しないという世論を大きくしよう」と呼びかけました。
(新聞「農民」2023.11.6付)
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