「農民」記事データベース20231030-1575-05

大軍拡反対、憲法改悪を止めよう

「九条の会」が大集会ひらく


 10月5日、「九条の会」の呼びかけで、大軍拡に反対し、憲法改悪を止めるために、この秋の大運動を広げていこうという大集会が東京都内で開催され、会場に1200人が集まりました。

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(左上から時計回りに)スピーチをした田中さん、中野さん、小森さん、澤地さん、青年PTの高木さん(中央)

 集会冒頭、九条の会が設立された2004年の最初の呼びかけ人の一人、作家の澤地久枝さんが紹介されると会場は大きな拍手に包まれました。澤地さんは「いま憲法は実質的に裏切られている」と表明。しかし政治を危ぶむ人たちが声を上げ、行動することで「日本国憲法はまだ生きています」と市民運動を激励。「絶対に譲れないものとして、これからも小さくても声をあげていこう」と呼びかけました。

 2つの矛盾を抱えてきた日本

 九条の会事務局長の小森陽一さん(東京大学名誉教授)は「私たちの運動は自民党・公明党政権や維新の会などの改憲勢力と競りあいながら、憲法を堅持してきた。ここに確信を持とう」と述べました。

 九条の会世話人で前法政大学総長の田中優子さんが「岸田首相の改憲・軍拡に反対する声を」と題して講演。田中さんは戦後の日本がアメリカ統治のもとで、憲法による「軍事力は持たない」とする原則と、米ソ冷戦と朝鮮戦争によるアメリカの方針転換で日本に「再軍備化をさせる」という2つの“矛盾”をそのまま現在まで抱えてきた、と解説。

 「テレビや新聞報道では必要な情報が得られない場合も多い。本を読んだり勉強して、家族や周りの人たちに自分の考えを伝えることがとても大事」だと強調しました。

 9条で国は守れる?について

 中野晃一上智大学教授、市民連合運営委員は「改憲・軍拡ではなく『安心供与』を」と題して講演。「9条は日本の安全保障に大きく貢献してきたし、安倍政権以降の実質改憲により逆に危険性は実際に増してしまっている」と指摘。

 近隣諸国への最大の「安心供与」になっていたはずの憲法9条を守り、国民の生命と自由、幸福を追求する権利を守るための政治に立て直そうと訴えました。

 必要なのは、たたかわない覚悟

 現場からの声として、武蔵野市長の松下玲子さん(全国首長九条の会共同代表)や「千住九条の会」、「商社九条の会」のメンバーも登壇し、活動報告や決意表明が語られました。

 総がかり実行委員会の青年プロジェクトチームの高木陽介さんは「今の大軍拡路線は仕方ない、と思う人たちも実態としての戦争に反対している。必要なのはたたかわない覚悟。安心して働き、暮らしていける平和な社会をともにつくっていこう」と呼びかけ、会場から大きな拍手が起こりました。

(新聞「農民」2023.10.30付)
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2023年10月

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