「農民」記事データベース20231023-1574-07

第68回
はたらく女性の中央集会
in長野


ミサイルよりケアを
増税より賃上げを!

 女性労働者や自営業・農山漁村ではたらく女性たちが要求を持ち寄り、交流・学習・討論しようと始まった「はたらく女性の中央集会」が10月7、8の両日、長野市で開催されました。第68回となった今年のスローガンは、「ミサイルよりケアを、増税より賃上げを!」「いのち・暮らし・平和守る憲法生かそう」「一人ひとりが大切にされるジェンダー平等社会の実現を」。オンライン参加を合わせてのべ960人が参加しました。

 1日目の全体会では、同集会実行委員会を代表して全労連女性部の寺園通江さんが基調報告。暮らしと福祉を犠牲にして、軍拡路線を暴走する岸田政権を批判し、「誰もが安心して、自分らしく生き、暮らせる社会の実現へ、女性の共同をさらに広げていきましょう」と呼びかけました。

 コメンテーターとしても活躍するフリージャーナリストの青木理(おさむ)さんと、全労連の小畑雅子議長が舞台上で対談。ジャニーズ事務所の性加害問題から国会報道まで、今の日本の報道の在り方や政治問題などを縦横に語り合いました。青木さんは、「政治に声を上げる人が多ければ多いほど、社会は健全化する」と述べ、「あきらめずに声を上げ続けよう」と、力強く訴えました。

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全体会のフィナーレの様子


第3分科会 食べることは生きること

健康で文化的な生活できていますか?

 2日目には4つの分科会が開かれ、第3分科会では「食べることは生きること〜健康で文化的な生活、できていますか?」をテーマに、学校給食を中心にパネルディスカッションを行いました。

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学校給食など「食」に関わるとりくみを交流した第3分科会の様子

 コーディネーターは、長野県労働組合連合会(県労連)副議長で、学校給食の運動に長く取り組んできた藤綱みどりさん。藤綱さんは、いま全国で広がっている学校給食の無償化の動きに触れつつ、給食が教育の一環であることや、格差と貧困が深刻化する中で、学校給食の役割がますます高まっていることなどを提起しました。

貧困と格差、低い食料自給率…

給食を食の問題考える一歩に

 木曽地方の王滝小学校の栄養職員、大久保ちひろさんは、季節感や旬を生かした献立など給食づくりの現場の創意工夫を紹介しながら、センター給食化・大規模化の推進や民間委託の現場で起きている困難な実態などを報告。「無償化や地産地消の食材など、運動の課題はたくさんあるけれど、学校給食に携わる私たち栄養教員や調理師の思いは、子どもたちには、安全で安心できる食材を使って、おいしく楽しく、給食を食べてもらいたい、という一心に尽きる」と述べ、会場から拍手が起こりました。

 山形村の大池俊子村議会議員は、1986年から地産地消の学校給食をすすめようと、村内の農家で「安全な学校給食を守る会」をつくり、野菜などを提供してきたことを紹介しました。

 大池さんは、規格や納品方法など学校給食への提供ならではの苦労や、生産者が高齢化し、後継者不足が深刻であることを率直に語りながらも、「この会があることで米は全量、野菜は6割を村内産で供給できている。近年では商工会と協力して子ども食堂などにも取り組んでおり、学校給食が地域の協同と食育の輪の中心的役割を果たしている」と報告しました。

 最後に藤綱さんが、「貧困と格差、低い食料自給率など、給食問題を自分の食生活を考える一歩にしていこう」と結びました。

(新聞「農民」2023.10.23付)
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2023年10月

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